68歳の男性。3か月で体重が7 kg減り、食後のみぞおちの不快感が続いている。頸…
68歳の男性。3か月で体重が7 kg減り、食後のみぞおちの不快感が続いている。頸部の診察で、左の鎖骨の上のくぼみに、硬くて動きにくい、痛みのない直径2 cmのリンパ節を触れる。このリンパ節の腫れが示すこととして最も考えられるのはどれか。
- ⑴ 首の筋肉の一部が加齢で硬くなり、こぶのように触れている。体重減少を伴う硬いしこりを筋肉の変化と考えるのは危険です。転移を考えて調べます。
- ⑵ かぜなどのウイルス感染に反応して、一時的にリンパ節が大きくなった。感染に反応したリンパ節はやわらかく、押すと痛み、よく動きます。硬く動かない所見とは合いません。
- ⑶ 腹部の臓器の癌が、胸管を通るリンパの流れに乗って転移した。左鎖骨上窩のリンパ節には胸管を経て腹部のリンパが流れ込み、胃癌などの転移が現れることがあります。
- ⑷ 甲状腺の一部が下へ伸びて、鎖骨の上でしこりとして触れている。甲状腺は首の正中にあり、飲み込むと上下に動きます。鎖骨上窩の硬いリンパ節とは異なります。
- ⑸ 歯や口の中の炎症が広がって、首の付け根のリンパ節が腫れた。口の中の炎症では顎の下のリンパ節が腫れ、痛みを伴います。鎖骨上窩の硬く痛みのない腫れとは異なります。
解説
腹部の臓器の癌が、胸管を通るリンパの流れに乗って転移したと考えられます。腹部からのリンパは胸管に集まり、左の鎖骨の上で静脈に流れ込みます。そのため、胃癌などの腹部の癌が進むと、左鎖骨上窩のリンパ節に転移が現れることがあります。体重減少とみぞおちの症状があり、硬く動きにくく痛みのないリンパ節を触れることから、消化管の癌を疑って精査します。
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