38歳の女性。前頸部のふくらみに気づいて受診した。研修医が、このふくらみが甲状腺…
38歳の女性。前頸部のふくらみに気づいて受診した。研修医が、このふくらみが甲状腺から生じたものかどうかを確かめたい。診察の方法として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 仰向けに寝てもらい、ふくらみを打診して濁った音がするかを確かめる。前頸部の腫瘤を打診しても甲状腺由来かどうかは判定できません。触診で嚥下時の動きを見ます。
- ⑵ ペンライトをふくらみに当てて光を透かし、内部が透けて見えるかを確かめる。光を透かす方法は陰嚢など薄い部位の液体貯留を見る方法で、前頸部の腫瘤の由来は分かりません。
- ⑶ 首を強く後ろに反らせてもらい、ふくらみが左右に動くかを指で押して確かめる。首を強く反らすと前頸部の組織が緊張して触れにくくなります。甲状腺の確認には飲み込む動作を使います。
- ⑷ 患者の後ろに立って両手の指を前頸部に当て、唾を飲み込んでもらって動きを確かめる。甲状腺は気管に付着しているため、飲み込む動作で喉頭とともに上に動きます。これで甲状腺由来かを確かめられます。
- ⑸ ふくらみに聴診器を当てて、血管の雑音が聞こえるかどうかで甲状腺かを判断する。血管雑音はバセドウ病などで聞こえることがありますが、ふくらみが甲状腺由来かどうかの判定には使えません。
解説
患者の後ろから前頸部に指を当て、唾を飲み込んでもらって動きを確かめるのが最も適切です。甲状腺は気管の前面に付着しているため、嚥下に伴って喉頭や気管とともに上に動きます。ふくらみが嚥下で上下すれば甲状腺由来と考えられ、動かなければリンパ節など別の組織を考えます。触診では大きさ、硬さ、表面の性状、圧痛の有無もあわせて確かめます。
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