重症の細菌性肺炎で入院した成人患者を対象に、新しい抗菌薬の効果を調べる臨床試験が…
重症の細菌性肺炎で入院した成人患者を対象に、新しい抗菌薬の効果を調べる臨床試験が計画された。倫理審査委員会に提出された計画のうち、倫理上最も問題があるのはどれか。
- ⑴ 対照群には抗菌薬を使わずに偽薬を投与し、新薬群との治癒率を比べる。有効な治療が確立している重い病気で、対照群から治療を奪うと重大な害を与えます。ヘルシンキ宣言に反します。
- ⑵ どちらの薬を使ったかを、患者にも効果を判定する医師にも伏せて評価する。盲検化は評価の偏りを防ぐ方法です。参加者に説明し同意を得ていれば倫理上の問題はありません。
- ⑶ 意識障害がある患者では、代わりに家族へ説明し、同意を得てから参加してもらう。本人に同意能力がない場合に代諾者から同意を得ることは、定められた手続きに沿う対応です。
- ⑷ 対照群には現在の標準的な抗菌薬を投与し、新薬群との治癒率を比べる。標準治療を対照に置く比較は、どちらの群も治療を受けられるため倫理的に受け入れられる方法です。
- ⑸ 試験の途中で一方の群に重い副作用が多いと分かった場合は、試験を中止する。安全性の監視と中止の基準を定めておくことは、参加者を守るために求められる手続きです。
解説
対照群に偽薬だけを投与する計画が最も問題です。ヘルシンキ宣言では、新しい治療は現在最善と証明された治療と比較するのが原則とされます。重症の細菌性肺炎のように有効な抗菌薬がすでにある病気で、対照群に治療をしなければ、命にかかわる害を与えることになります。標準薬との比較、盲検化、安全性による中止の基準、代諾者からの同意は、いずれも参加者を守りながら研究を進めるための手続きです。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。