10か月の男児。2日前から嘔吐と下痢が続き、母乳をあまり飲まなくなった。体重は発…
10か月の男児。2日前から嘔吐と下痢が続き、母乳をあまり飲まなくなった。体重は発症前より7%減っている。ぐったりとして、泣いても涙がほとんど出ず、口の中が乾いている。この男児の診察で、脱水の程度を判断するのに最も役立つ所見はどれか。
- ⑴ 体温が37.5℃前後で、手足が温かく、ほおが赤い。体温や顔の赤さは脱水の程度を判断する手がかりにはなりにくいです。
- ⑵ おむつかぶれがあり、肛門の周りが赤くただれている。下痢によるおむつかぶれで、脱水の程度を判断する所見ではありません。
- ⑶ 大泉門がへこみ、爪の色の戻りが遅い。大泉門の陥凹や毛細血管再充満時間の延長は、体液がかなり失われていることを示す乳児の大切な所見です。
- ⑷ 腸の動きの音が聴診でやや強くなっている。腸の音は胃腸炎そのものの所見で、体液の喪失の程度は示しません。
- ⑸ 両側の頸部に小さなリンパ節を触れ、圧痛はない。乳児の小さなリンパ節は普通にみられ、脱水の程度とは関係しません。
解説
大泉門のへこみと、爪を押して離したあと色が戻るまでの時間の延長が最も役立ちます。乳児は体重あたりの水分の出入りが大きく、嘔吐と下痢で急速に脱水になります。体重の減少に加え、大泉門の陥凹、涙や尿が出ない、口の粘膜の乾燥、皮膚の張りの低下、毛細血管再充満時間の延長などを組み合わせて程度を判断します。中等度以上なら点滴による補液を考えます。
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