72歳の男性。高血圧と脂質異常症で通院中。今朝、新聞を読んでいるときに、突然、右…
72歳の男性。高血圧と脂質異常症で通院中。今朝、新聞を読んでいるときに、突然、右手に力が入らなくなり、言葉がうまく出なくなった。症状は15分ほどで完全に消え、受診時の神経学的診察に異常はない。家族は「もう治ったので帰ってよいか」と尋ねた。対応として最も適切なのはどれか。
- ⑴ 同じ症状が2回以上起きたときに、改めて脳の検査を行うと説明する。1回目でも脳梗塞の前触れになります。くり返すのを待つ理由はありません。
- ⑵ 疲れによる一時的な症状と考えられるので、十分な睡眠をとるよう指導する。突然の片側の脱力と言葉の障害は脳の血流障害を示します。疲れで片づけてはいけません。
- ⑶ 脳梗塞が近く起こる危険が高いため、当日中に頭部と血管の検査を進める。症状が消えても一過性脳虚血発作の後は脳梗塞が起こりやすく、速やかな評価と再発予防の治療が必要です。
- ⑷ 症状が完全に消えて後遺症もないので、次の定期受診まで経過を見てもらう。一過性の発作の直後は脳梗塞の危険が特に高い時期です。次の受診まで待つのは危険です。
- ⑸ 血圧を下げるために、降圧薬を倍量にして帰宅させる。原因を調べないまま急に血圧を下げると、脳の血流がかえって減るおそれがあります。
解説
近いうちに脳梗塞を起こす危険が高いので、当日のうちに頭部や血管の検査を進めるのが最も適切です。片側の手の脱力や言葉の障害が突然起こり、短時間で完全に消えるのは一過性脳虚血発作です。症状が消えても、その後の数日から数週間は脳梗塞を起こす危険が高いため、原因を速やかに調べ、抗血小板薬などで再発を防ぐ必要があります。後遺症がないからといって帰宅させてはいけません。
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