購入して数日後、患者が再び来局し、この漢方薬を服用してから下痢が続くとの訴えがあ…
52 歳男性。身長 174 cm、体重 86 kg。仕事の都合で夕食の時間が遅くなることが多い。積極的に散歩をしているが、最近お腹が出てきて、皮下脂肪が気になるようになってきた。テレビで肥満に効く漢方薬の宣伝を見て、防風通聖散(注) を求めて薬局を訪れた。(注)防風通聖散:キキョウ、カンゾウ、オウゴン、ビャクジュツ、セッコウ、ダイオウ、マオウ、トウキ、シャクヤク、センキュウ、サンシシ、レンギョウ、ハッカ、ケイガイ、ボウフウ、ショウキョウ、カッセキ、ボウショウを含む
購入して数日後、患者が再び来局し、この漢方薬を服用してから下痢が続くとの訴えがあった。その主な原因として、防風通聖散に配合される植物由来の生薬Aが考えられた。生薬Aに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 通例、根茎を利用する。ダイオウはタデ科植物の根茎を薬用部位とするため、正しい記述です。
- ⑵ セリ科植物を基原とする。ダイオウの基原はタデ科のダイオウ属植物です。セリ科はトウキやセンキュウなどの基原です。
- ⑶ 主成分としてトロパン型アルカロイドを含有する。ダイオウの主成分はセンノシドなどのアントラキノン類です。トロパン型アルカロイドはロートコンなどに含まれます。
- ⑷ 同様の作用をもつ生薬としてボウショウがある。ボウショウは硫酸ナトリウムを主とする鉱物生薬で塩類下剤として働き、ダイオウと同様に瀉下作用をもつため正しい記述です。
- ⑸ 大建中湯にも配合されている。大建中湯の構成はサンショウ・カンキョウ・ニンジン・膠飴であり、ダイオウは配合されていません。
解説
正解は⑴と⑷です。下痢の原因となる生薬Aはダイオウで、タデ科のダイオウ属植物の根茎を用います。主成分はセンノシドなどのアントラキノン誘導体で、腸内細菌によりレインアンスロンに変換されて大腸を刺激し瀉下作用を示します。防風通聖散には同じく瀉下作用をもつボウショウ(硫酸ナトリウム)も配合され、塩類下剤として働きます。ダイオウはセリ科ではなく、トロパンアルカロイドも含みません。大建中湯はサンショウ・カンキョウ・ニンジン・膠飴からなりダイオウを含みません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成