下図は、ある界面活性剤水溶液の濃度と表面張力及び難溶性薬物の可溶化量との関係を模…
下図は、ある界面活性剤水溶液の濃度と表面張力及び難溶性薬物の可溶化量との関係を模式的に示したものである。この図に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ この界面活性剤は、負吸着を示す。界面活性剤は溶液表面に濃縮して表面張力を下げる正吸着を示します。負吸着は無機塩などでみられます。
- ⑵ Aは可溶化量を、Bは表面張力を示している。CMC以上で増加するAは可溶化量、濃度とともに低下してから一定になるBは表面張力を示します。
- ⑶ 濃度Xでは、界面活性剤は全てミセルとして存在している。濃度X(臨界ミセル濃度)ではミセルが形成され始めますが、単分子として存在する界面活性剤も残っています。
- ⑷ 濃度Xよりも高い濃度では、溶液表面への界面活性剤の吸着量が一定となる。臨界ミセル濃度を超えると表面への吸着は飽和し、吸着量が一定となるため表面張力も一定になります。
- ⑸ 濃度Yでは、疎水基を外側に、親水基を内側としたミセルが形成される。水溶液中では、疎水基を内側に、親水基を外側に向けた正ミセルが形成されます。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑷です。界面活性剤水溶液では、濃度が上がるにつれて界面活性剤が溶液表面に吸着し、表面張力が低下しますが、臨界ミセル濃度(CMC)を超えると表面への吸着が飽和して表面張力はほぼ一定になります。一方、難溶性薬物の可溶化量はミセルが形成されるCMC以上で増加します。したがって、CMC以上で増加するAが可溶化量、低下して一定になるBが表面張力を示し、濃度XがCMCに当たります。CMCではミセルが形成され始めるだけで、すべてがミセルになるわけではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成