ある非電解質薬物 25 mg を結晶又は非晶質固体分散体として、それぞれ一定温度…
ある非電解質薬物 25 mg を結晶又は非晶質固体分散体として、それぞれ一定温度の水 1.0 L に分散したところ、図に示す薬物濃度-時間曲線が得られた。この薬物の溶解に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。ただし、この薬物には結晶多形は存在しないものとする。
- ⑴ 薬物結晶の飽和溶解度は約 25 μg/mL である。25 μg/mLは非晶質固体分散体が全量溶解したときの濃度で、結晶の飽和溶解度はそれより低い値です。
- ⑵ アでは、薬物はすべて溶解しており、液は澄明である。アでは25 mgの薬物すべてが1.0 Lに溶解して25 μg/mLとなっており、固体は残らず液は澄明です。
- ⑶ イでは、固相の薬物は一部非晶質として存在している。アで非晶質はすべて溶解しているため、イの固相に存在するのは過飽和溶液から析出した結晶です。
- ⑷ イでは、液相の薬物は過飽和溶解している。イでは結晶の溶解度を超える濃度の薬物が溶けており、過飽和溶解の状態にあります。
- ⑸ ウでは、薬物結晶が約5 mg 存在している。ウでは結晶の溶解度に相当する量が溶けており、残りが結晶として存在しますが、図の濃度から求めると約5 mgにはなりません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵と⑷です。非晶質固体分散体は結晶より溶解度が高いため、速やかに溶けて、25 mgすべてが溶解したア(25 μg/mL)では液は澄明となります。この濃度は結晶の溶解度を超えているため、その後のイでは液相の薬物は過飽和の状態にあり、やがて結晶が析出して濃度が低下し、最終的に結晶の溶解度で一定になります。25 μg/mLは非晶質が全量溶けたときの濃度で、結晶の飽和溶解度ではありません。イの固相は析出した結晶であり、非晶質ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198929.html)を加工して作成