医薬品の水溶液中における安定性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
医薬品の水溶液中における安定性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 加水分解を受けやすい医薬品は、難溶性の塩として溶解度を低下させることで安定性が改善する。難溶性の塩にすると溶液中の薬物濃度が下がり、溶液中で起こる加水分解が抑えられます。
- ⑵ EDTA は、包接化により医薬品の安定性を改善する。EDTAは金属イオンをキレートして酸化の触媒作用を抑えます。包接化はシクロデキストリンの作用です。
- ⑶ 特殊酸触媒のみで分解する医薬品は、保存するpH を低くすることで安定性が改善する。特殊酸触媒反応は水素イオン濃度に比例して速くなるため、pHを低くすると安定性は低下します。
- ⑷ 異符号のイオン間の反応で分解する医薬品は、塩を添加することで溶液のイオン強度を増大させると安定性が改善する。異符号のイオン間の反応は、イオン強度が大きくなるほど反応速度が低下し、安定性が改善します。
- ⑸ 同符号のイオン間の反応で分解する医薬品は、アルコールを添加することで溶媒の誘電率を低下させると安定性が低下する。同符号のイオン間の反応は誘電率を下げると反発が強まり反応が遅くなるため、安定性は向上します。
解説
正解は⑴と⑷です。加水分解は溶液中に溶けた分子で起こるため、難溶性の塩として溶解度を下げると溶けている薬物が減り、分解が抑えられます。異符号のイオン間の反応はイオン強度を大きくすると反応速度が低下するので、塩を加えると安定性が改善します。EDTAは金属イオンをキレートして酸化反応の触媒を除く安定化剤で、包接化はシクロデキストリンの作用です。特殊酸触媒反応はpHが低いほど速く、同符号のイオン間の反応は誘電率を下げると遅くなる点が誤りです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成