60 歳男性。がん化学療法後に増悪したPD-L1 陽性の再発食道扁平上皮がんに対…
60 歳男性。がん化学療法後に増悪したPD-L1 陽性の再発食道扁平上皮がんに対してペムブロリズマブ200 mg の点滴静注が開始された。4 コース目施行時に担当薬剤師は患者から3 コース終了頃から倦怠感と寒気が続いているとの訴えを聴取した。また看護記録から体重増加と心拍42 拍/分で徐脈であることを確認した。担当薬剤師は以下の医薬品リスク管理計画を参考に有害事象発現の可能性を考えた。身体所見と看護記録に基づいて薬剤師から提案する検査項目はどれか。1つ選べ。【重要な特定されたリスク】間質性肺疾患 神経障害(ギランバレー症候群)大腸炎・重度の下痢 重度の皮膚障害(皮膚粘膜眼症候群,肝機能障害・硬化性胆管炎 多形紅斑,類天疱瘡等)腎機能障害 脳炎・髄膜炎内分泌障害(下垂体機能障害,甲状腺 重症筋無力症機能障害,副腎機能障害) 心筋炎1 型糖尿病 免疫性血小板減少性紫斑病ぶどう膜炎 溶血性貧血筋炎・横紋筋融解症 赤芽球癆膵炎 infusion reactionペムブロリズマブリスク管理計画2017 より引用
- ⑴ プロラクチンプロラクチンは乳汁分泌や月経異常などの評価に用いる項目で、この患者の症状の評価には適しません。
- ⑵ テストステロンテストステロンは性腺機能の評価に用いる項目で、倦怠感や寒気、徐脈の評価としては優先されません。
- ⑶ 抗利尿ホルモン抗利尿ホルモンは低ナトリウム血症や尿崩症など水代謝異常の評価に用いる項目です。
- ⑷ ゴナドトロピンゴナドトロピンは性腺系の評価に用いる項目で、この患者の症状とは合いません。
- ⑸ 甲状腺刺激ホルモン倦怠感、寒気、体重増加、徐脈は甲状腺機能低下症を示唆するため、甲状腺刺激ホルモンの測定を提案します。
解説
正解は⑸です。ペムブロリズマブなどの免疫チェックポイント阻害薬では、免疫関連有害事象として内分泌障害が起こることがあり、甲状腺機能低下症はその代表です。この患者の倦怠感、寒気、体重増加、徐脈(42拍/分)は甲状腺機能低下症の典型的な症状であり、甲状腺刺激ホルモン(TSH)と遊離サイロキシン(FT4)の測定を提案します。プロラクチン、テストステロン、ゴナドトロピンは主に性腺系や乳汁分泌の評価に、抗利尿ホルモンは水代謝の評価に用いる項目で、この症状とは合いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成