処方1 の薬剤による治療に関して、薬剤師が医療スタッフに伝える注意事項として、適…
65 歳男性。身長165 cm、体重60 kg。腹痛及び背部痛を訴え、近医を受診した。血中膵酵素及び腫瘍マーカー(CA19-9、CEA)が高値であったため、超音波内視鏡検査を施行したところ、膵臓がんと診断された。治癒切除が不能と判断され、胆道ドレナージが施行された。その後、化学療法としてGnP 療法(ゲムシタビン・nab-パクリタキセル併用療法)で治療を行うことになった。レジメン(GnP)点滴薬剤 用量 Day 1 Day 8 Day 15 Day 22時間(処方1 ) 30 分 125 ○ ○ ○アブラキサン点滴静注用(注) mg/m²生理食塩液で懸濁(処方2 ) 30 分 1,000 ○ ○ ○ゲムシタビン点滴静注用 mg/m²生理食塩液で溶解休薬 ― ○(注:パクリタキセル注射剤(アルブミン懸濁型))
処方1 の薬剤による治療に関して、薬剤師が医療スタッフに伝える注意事項として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 投与前に好中球数及び血小板数が減少していないかを確認する。アブラキサンでは好中球減少などの骨髄抑制が高頻度に起こるため、投与前に好中球数と血小板数を確認します。
- ⑵ ヒト由来成分に対する過敏症予防のための前投与が実施されたかを確認する。溶剤のポリオキシエチレンヒマシ油やエタノールを含まないため、過敏症予防のための前投与は必須ではありません。
- ⑶ 投与時に血管痛が出た場合は、次回から懸濁に用いる液をブドウ糖液に変更する。アブラキサンの懸濁には生理食塩液のみを用います。ブドウ糖液への変更は適切ではありません。
- ⑷ インラインフィルターを使用して投与することを確認する。アブラキサンはナノ粒子製剤で、インラインフィルターを使用すると粒子が捕捉されるおそれがあるため、使用しません。
- ⑸ 感染症伝播のリスクについての説明を患者に行ったかを確認する。ヒト血液由来のアルブミンを含む特定生物由来製品であるため、感染症伝播のリスクについて患者への説明が必要です。
解説
正解は⑴と⑸です。アブラキサンは骨髄抑制が強く現れるため、投与前に好中球数や血小板数を確認し、基準を満たさなければ休薬・減量します。また、添加物のアルブミンはヒト血液由来の成分で、特定生物由来製品に当たるため、感染症伝播のリスクについて患者に説明しておく必要があります。従来のパクリタキセル製剤と異なり、溶剤のポリオキシエチレンヒマシ油を含まないため、過敏症予防の前投与は必須ではありません。懸濁は生理食塩液のみで行い、インラインフィルターは使用しません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成