処方1 ~4 のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
65 歳男性。2 型糖尿病のため処方1 ~3 にて治療していた。(処方1 )メトホルミン塩酸塩錠250 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分(処方2 )グリメピリド錠1 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 28 日分(処方3 )シタグリプチンリン酸塩錠50 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ダパグリフロジン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)エナラプリルマレイン酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分最近、血糖コントロールが不良であることから、今回、処方3 が処方4 へ変更となり、処方1 、2 及び4 が記載された処方箋を持ってかかりつけ薬局を訪れた。(処方4 )セマグルチド(遺伝子組換え)錠7 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)ダパグリフロジン錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)エナラプリルマレイン酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分
処方1 ~4 のいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ グルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)受容体を刺激して、膵臓からのインスリン及びグルカゴン分泌を促進する。GLP-1受容体の刺激はインスリン分泌を促進しますが、グルカゴン分泌は抑制します。
- ⑵ ジペプチジルペプチダーゼ-4(DPP-4)を阻害して、小腸から分泌されるインクレチンの分解を抑制する。シタグリプチンはDPP-4を阻害し、インクレチンの分解を抑えて作用を持続させます。
- ⑶ アンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害して、血中でのアンジオテンシンⅠの生成を抑制する。ACE阻害薬(エナラプリル)は、アンジオテンシンⅠからアンジオテンシンⅡへの変換を阻害します。Ⅰの生成を抑えるのではありません。
- ⑷ ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰを阻害して、血糖値依存的なインスリン分泌を促進する。呼吸鎖複合体Ⅰの阻害はメトホルミンの作用として知られますが、メトホルミンはインスリン分泌を促進しません。
- ⑸ AMP 活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化して、肝臓での糖新生を抑制する。メトホルミンはAMPKを活性化して肝臓での糖新生を抑制し、血糖値を低下させます。
解説
正解は⑵と⑸です。処方3のシタグリプチンはDPP-4を阻害し、小腸から分泌されるインクレチン(GLP-1やGIP)の分解を抑えて血糖依存的なインスリン分泌を高めます。処方1のメトホルミンはAMPKを活性化し、主に肝臓での糖新生を抑えて血糖を下げます。GLP-1受容体作動薬はインスリン分泌を促進しますが、グルカゴン分泌は抑制します。ACE阻害薬はアンジオテンシンⅡの生成を抑えます。ミトコンドリア呼吸鎖複合体Ⅰの阻害はメトホルミンの作用として知られますが、インスリン分泌は促進しません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成