セチリジン塩酸塩はその R-エナンチオマーと S-エナンチオマーのラセミ体で、旋…
38 歳女性。アレルギー性鼻炎で近医を受診し、処方1 による治療を受けていた。しかし、薬剤師は処方1 の薬剤の供給が不安定になったとの情報を得たため、医師と他剤への変更を検討し、処方1 は処方2 へ変更された。なお、処方1 の薬剤と処方2 の薬剤は、添加剤が同じものを調剤した。(処方1 )セチリジン塩酸塩錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前 28 日分(処方2 )レボセチリジン塩酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前 28 日分
セチリジン塩酸塩はその R-エナンチオマーと S-エナンチオマーのラセミ体で、旋光性は示さない。一方、レボセチリジン塩酸塩は R-エナンチオマーであり、旋光性を示し、比旋光度[α]²⁵D = +10.80°である。いま、レボセチリジン塩酸塩を含む原末1.00 g を量り、水に溶かして全量200 mL とし、層長100 mm の測定管を用いて温度25 ℃で旋光度 αD を測定したところ、+0.052°であった。この原末中のレボセチリジン塩酸塩の含量に最も近いのはどれか。1つ選べ。ただし、原末中には R-エナンチオマー以外に旋光性を示す物質は含まないものとする。
- ⑴ 92.2%92.2%は計算値と一致しません。c≒0.481 g/100 mLから約96.3%です。
- ⑵ 94.1%94.1%は計算値と一致しません。
- ⑶ 96.3%0.481 g/100 mL×2=0.963 gで、原末1.00 gに対し96.3%となるので正答です。
- ⑷ 98.4%98.4%は計算値と一致しません。
- ⑸ 100.7%100.7%は計算値と一致せず、含量が100%を超えています。
解説
正解は⑶です。比旋光度は[α]=100α/(l・c)で表され、lは層長(dm)、cは溶液100 mL中の物質の質量(g)です。層長100 mm=1 dmなので、c=100×0.052/(1×10.80)≒0.481 g/100 mLとなります。全量200 mL中には約0.963 gのレボセチリジン塩酸塩が含まれ、原末1.00 gに対する含量は約96.3%です。ラセミ体のセチリジンは旋光性を示さないことも押さえておきましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成