ある輸入果実が農薬Aで汚染されていることが判明し、その残留濃度は0.05ppm …
ある輸入果実が農薬Aで汚染されていることが判明し、その残留濃度は0.05ppm であった。我が国では、この果実に対して、農薬Aの個別の残留基準値は設定されていない。また、農薬Aの許容一日摂取量(ADI)は0.029 mg/kg 体重/日、急性参照用量(ARfD)は0.3 mg/kg 体重である。農薬Aのリスク評価及びリスク管理に関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ARfD は、24 時間又はそれより短時間の経口摂取でヒトの健康に悪影響を示さないと推定される体重1 kg 当たりの摂取量である。ARfDは24時間以内の摂取で健康に悪影響を示さないと推定される量なので正答です。
- ⑵ ARfD は、慢性毒性試験で得られる最大無作用量(NOAEL)又は最小作用量(LOAEL)を安全係数で除して求められる。ARfDは急性毒性などの短期の試験から求めます。慢性毒性試験から求めるのはADIです。
- ⑶ ADI は、非意図的汚染物質をヒトが一生涯にわたって摂取し続けても健康への悪影響がないと考えられる体重1 kg 当たり、1 日当たりの摂取量である。ADIは農薬や添加物など意図的に使用される物質の指標で、非意図的汚染物質にはTDIを用います。
- ⑷ 体重50 kg の成人がこの果実を仮に毎日40 kg 食べ続けても、農薬AのADI を超える摂取量とはならない。0.05 mg/kg×40 kg=2 mg/日で、ADI×50 kg=1.45 mg/日を超えてしまいます。
- ⑸ 一律基準(0.01 ppm)が適用されるため、この果実を販売することは食品衛生法違反である。個別基準がないため一律基準0.01 ppmが適用され、0.05 ppmは違反となるので正答です。
解説
正解は⑴と⑸です。ARfDは24時間以内の短期間の経口摂取で健康への悪影響がないと推定される量で、急性毒性に関する試験から求めます。個別基準のない農薬には一律基準0.01 ppmが適用され、0.05 ppmはこれを超えるため販売は食品衛生法違反です。ADIは意図的に使用される物質に用いる指標です。40 kgの摂取では農薬Aは2 mg/日となり、体重50 kgのADI(1.45 mg/日)を超えます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198928.html)を加工して作成