60 歳男性。約30 分前に胸痛を訴え、近隣病院の救急センターに搬送された。搬送…
60 歳男性。約30 分前に胸痛を訴え、近隣病院の救急センターに搬送された。搬送時に意識障害が認められ、心拍40 拍/分、血圧80/50 mmHg であった。医師はこれらの症候が不整脈に伴う心拍出量低下で生じていると判断し、アトロピンによる緊急治療を開始することにした。救急担当薬剤師が即座に患者のお薬手帳から常用薬を確認したところ、アトロピンの使用にあたり、注意が必要な疾患に罹患している可能性が考えられた。その疾患の治療薬はどれか。2つ選べ。
- ⑴ チペピジンヒベンズ酸塩錠チペピジンは鎮咳去痰薬で、アトロピンの使用で特に注意が必要な疾患の治療薬ではありません。
- ⑵ テプレノンカプセルテプレノンは胃炎・胃潰瘍に用いる胃粘膜保護薬で、アトロピン使用時の注意疾患の治療薬ではありません。
- ⑶ ブリモニジン酒石酸塩点眼液緑内障の治療薬で、アトロピンの抗コリン作用は眼圧を上昇させ緑内障を悪化させるおそれがあります。
- ⑷ シロドシン錠前立腺肥大症に伴う排尿障害の治療薬で、アトロピンは排尿障害や尿閉を悪化させるおそれがあります。
- ⑸ トピロキソスタット錠トピロキソスタットは高尿酸血症の治療薬で、アトロピン使用で特に注意が必要な疾患の治療薬ではありません。
解説
正解は⑶と⑷です。アトロピンは抗コリン薬で、瞳孔を散大させて隅角を狭め眼圧を上昇させるため緑内障を悪化させ、また膀胱排尿筋を弛緩させるため前立腺肥大症による排尿障害を悪化させるおそれがあります。お薬手帳に緑内障治療薬のブリモニジン点眼液と、前立腺肥大症に伴う排尿障害治療薬のシロドシンがあれば、これらの疾患への注意が必要と判断できます。チペピジンは鎮咳薬、テプレノンは胃粘膜保護薬、トピロキソスタットは高尿酸血症治療薬です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成