この放射性同位体¹³¹I を含む放射性医薬品の服用前後の生活における注意点につい…
37 歳女性。生後6 ケ月の男児あり。母乳哺育中。3 ケ月前に動悸、食欲亢進、体重減少が現れたため、かかりつけ医を受診したところ、甲状腺機能亢進が疑われ、精査の結果、バセドウ病と診断された。プロピルチオウラシル錠内服による治療が開始されたが、投与開始1 ケ月後の検査において、白血球数減少が認められたため、放射性同位体¹³¹I を含む放射性医薬品(ヨウ化ナトリウム(¹³¹I)カプセル)による治療に変更することになった。
この放射性同位体¹³¹I を含む放射性医薬品の服用前後の生活における注意点について、この患者への薬剤師の説明として適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 服用1 ~2 週間前から、海藻類を含む食品などの摂取を増やしてください。ヨウ素を多く含む海藻類を摂ると¹³¹Iの甲状腺への取り込みが減るため、服用前はむしろ制限します。
- ⑵ 服用後も母乳哺育を継続することができます。¹³¹Iは母乳中に移行し乳児の甲状腺に取り込まれるため、服用後は母乳哺育を中止する必要があります。
- ⑶ 服用1 ~2 週間前から、ヨウ素含有うがい液の使用を避けてください。ポビドンヨードなどのヨウ素含有うがい液は甲状腺への¹³¹Iの取り込みを妨げるため、服用前から使用を避けます。
- ⑷ 服用後1 週間は、子供との長時間の接触(添い寝など)は避けるようにしてください。周囲の人、特に放射線感受性の高い子供の被ばくを減らすため、服用後しばらくは長時間の密接な接触を避けます。
- ⑸ 服用後も、洗濯やお風呂は同居の人と区別する必要はありません。汗や尿などに放射性物質が排泄されるため、服用後しばらくは洗濯物を分け、入浴は最後にするなどの配慮が必要です。
解説
正解は⑶と⑷です。放射性ヨウ素内用療法では、¹³¹Iを甲状腺に効率よく取り込ませるため、服用の1〜2週間前から海藻類などヨウ素を多く含む食品やヨウ素含有うがい液の使用を控えます。服用後は体内に放射能が残るため、周囲の人の被ばくを減らす目的で、一定期間は子供との添い寝など長時間の接触を避け、洗濯物や入浴の順番も家族と分けるよう指導します。¹³¹Iは母乳中に移行するため、服用後は授乳を中止する必要があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成