処方薬の注意すべき主な副作用はどれか。2つ選べ。
70 歳男性。同居している息子夫婦に付き添われて来局。20 歳の頃より喫煙習慣があり(ブリンクマン指数:1,200)、現在も1 日に10 本程度喫煙している。また職業上の粉じん曝露歴があった。数年前より労作時の息切れが出現し、徐々に症状が悪化したために近医を受診し、慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断され、以下の処方が出された。(処方)チオトロピウム臭化物吸入用カプセル18 μg 1 回1 カプセル1 日1 吸入 全56 カプセル
処方薬の注意すべき主な副作用はどれか。2つ選べ。
- ⑴ 排尿障害抗コリン作用により膀胱排尿筋が弛緩し、排尿困難や尿閉が起こることがあるため注意が必要です。
- ⑵ 徐脈抗コリン作用では迷走神経の作用が抑えられるため、起こりうるのは徐脈ではなく頻脈です。
- ⑶ 口腔内カンジダ症口腔内カンジダ症は吸入ステロイドの代表的な副作用で、抗コリン薬の主な副作用ではありません。
- ⑷ 下痢抗コリン作用では消化管運動が抑制されるため、下痢ではなく便秘が起こりやすくなります。
- ⑸ 口渇唾液分泌が抑制されるため、口渇は抗コリン薬の吸入で最もよくみられる副作用の一つです。
解説
正解は⑴と⑸です。チオトロピウムは長時間作用性の抗コリン薬(LAMA)で、気管支平滑筋のムスカリンM3受容体を遮断して気管支を拡張します。吸入薬でも一部が全身に吸収されるため、抗コリン作用による排尿障害や尿閉、口渇などに注意が必要で、前立腺肥大症による排尿障害や閉塞隅角緑内障のある患者には禁忌です。口腔内カンジダ症は吸入ステロイドの副作用であり、抗コリン薬ではむしろ便秘が起こりやすく、徐脈ではなく頻脈が起こりえます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成