ある2 価の金属イオンM²⁺ の0.01 mol/L 水溶液のpH を上げていく…
ある2 価の金属イオンM²⁺ の0.01 mol/L 水溶液のpH を上げていくと難溶性塩M(OH)2 が沈殿する。この沈殿が生成し始めるpH に最も近い値はどれか。1つ選べ。ただし、M(OH)2 の溶解度積 Ksp = 2.0 × 10⁻²⁰(mol/L)³、水のイオン積 Kw =[H⁺][OH⁻]= 1.0 × 10⁻¹⁴(mol/L)²、log 2 = 0.30 とし、ヒドロキソ錯体の生成などの副反応は起こらず、水溶液の温度と体積は変化しないものとする。
- ⑴ 3pH 3では[OH⁻]= 10⁻¹¹ mol/L で、イオン積は 10⁻²⁴ と溶解度積に達せず沈殿は生じません。
- ⑵ 5[OH⁻]= √2 × 10⁻⁹ mol/L から pH ≒ 5.15 となり、最も近い値は5です。
- ⑶ 7pH 7では既に溶解度積を大きく超えており、沈殿が生じ始めるpHではありません。
- ⑷ 9pH 9では溶解度積を大きく超えており、沈殿が生じ始めるpHとしては高すぎます。
- ⑸ 11pH 11では溶解度積を大きく超えており、沈殿が生じ始めるpHとしては高すぎます。
解説
正解は⑵です。沈殿が生じ始めるのは[M²⁺][OH⁻]² が溶解度積に達したときです。[OH⁻]² = Ksp/[M²⁺]= 2.0 × 10⁻²⁰/0.01 = 2.0 × 10⁻¹⁸ より、[OH⁻]= √2 × 10⁻⁹ mol/L です。pOH = 9 − 1/2 × log 2 = 9 − 0.15 = 8.85 となり、pH = 14 − 8.85 = 5.15 です。したがって最も近い値は5です。金属水酸化物の沈殿生成pHは、金属イオン濃度と溶解度積から求められることを押さえておきましょう。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成