日本薬局方ヨードチンキの定量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。(1…
日本薬局方ヨードチンキの定量に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。(1) ヨウ素 本品5 mL を正確に量り、アヨウ化カリウム0.5 g、水20 mL 及び希塩酸1 mL を加え、0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液で滴定する(指示薬:イデンプン試液2 mL)。0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液1 mL = 12.69 mg I(2) ヨウ化カリウム 本品5 mL を正確に量り、ヨウ素瓶に入れ、水20 mL、塩酸50 mL 及びクロロホルム5 mL を加えて室温に冷却し、ウクロロホルム層の赤紫色が消えるまで激しく振り混ぜながら、0.05 mol/L ヨウ素酸カリウム液で滴定する。クロロホルム層の色が消えた後、5 分間放置して再び着色するときは更に滴定を続ける。ここに得た0.05 mol/L ヨウ素酸カリウム液の消費量 a mL と(1)の滴定に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液の消費量 b mL から次の式によっエてヨウ化カリウム(KI)の量(mg)を求める。ヨウ化カリウム(KI)の量(mg)= 16.60 × オ
- ⑴ 下線部アの物質を加えるのは、ヨウ素とチオ硫酸ナトリウムの反応を促進させるためである。ヨウ化カリウムはヨウ素を三ヨウ化物イオンとして溶かし揮散を防ぐために加えるもので、反応を促進させるためではありません。
- ⑵ 下線部イの溶液は滴定直前に被滴定液に添加する。デンプン試液はヨウ素の色が薄くなった終点近くで加えます。最初から加えるとヨウ素が吸着され終点が不明瞭になります。
- ⑶ 下線部ウはヨウ素の色である。クロロホルム層の赤紫色は抽出されたヨウ素の色で、ICl に酸化されると消えるため終点の指標になります。
- ⑷ 本品5 mL を量り、上記に従い、0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム液(ファクター1.000)で滴定したとき、下線部エが23.60 mL とすると、ヨウ素(I)の含量は6.0 w/v%である。23.60 mL × 12.69 mg ≒ 299.5 mg が5 mL中に含まれるので、ヨウ素の含量は約6.0 w/v%です。
- ⑸ 空欄 オ に入れるべき式は(a - b)である。ただし、(2)の反応は次のとおりである。2I2 + KIO3 + 6HCl 5ICl + KCl + 3H2O2KI + KIO3 + 6HCl 3ICl + 3KCl + 3H2O反応式から KI の物質量は 0.05 ×(2a − b)mmol となり、16.60 を掛ける場合のオは a − b/2 で、a − b ではありません。
解説
正解は⑶と⑷です。ヨウ素の定量では、チオ硫酸ナトリウム液1 mL = 12.69 mg I なので、23.60 mL × 12.69 mg ≒ 299.5 mg のヨウ素が5 mL中に含まれ、約6.0 w/v%となります。ヨウ化カリウムの定量では、ヨウ素とヨウ化物イオンをヨウ素酸カリウムで一塩化ヨウ素(ICl)に酸化し、クロロホルム層に移ったヨウ素の赤紫色が消える点を終点とします。反応式から KI = 0.05 ×(2a − b)mmol となり、オは a − b/2 です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198926.html)を加工して作成