48 歳女性。以前から腹部膨満感や下腹部の痛みを自覚していた。病院を受診したとこ…
48 歳女性。以前から腹部膨満感や下腹部の痛みを自覚していた。病院を受診したところ卵巣がんが判明し、Stage Ⅲと診断され手術が施行された。術後化学療法としてパクリタキセル、カルボプラチン(TC 療法)とベバシズマブによる併用療法が開始となった。薬剤師が行う薬学的関与として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 治療中は、定期的な尿検査によって尿タンパクの有無を確認する。ベバシズマブはタンパク尿を起こすため、治療中は定期的に尿検査で尿タンパクを確認します。
- ⑵ パクリタキセル投与に伴い、予防的な低カリウム血症対策を実施するように医師に提案する。パクリタキセルで予防が必要なのは過敏反応で、低カリウム血症対策を予防的に行う必要はありません。
- ⑶ 血圧が上昇したときは、ベバシズマブの中止を医師に提案する。ベバシズマブによる血圧上昇はまず降圧薬で管理し、高血圧クリーゼなどの場合に中止を検討します。
- ⑷ 腎障害予防策として、カルボプラチン投与前後に十分な補液と利尿剤の投与が実施されているかを確認する。大量の補液と利尿薬が必要なのはシスプラチンで、カルボプラチンでは通常不要です。
- ⑸ カルボプラチンの投与量の監査は、腎機能を考慮して行う。カルボプラチンの投与量は腎機能と目標AUCからカルバートの式で算出するため、腎機能を考慮して監査します。
解説
正解は⑴と⑸です。ベバシズマブは血管内皮増殖因子を阻害する抗体で、副作用としてタンパク尿や高血圧が起こるため、治療中は定期的に尿検査で尿タンパクを確認します。カルボプラチンは主に腎臓から排泄されるため、腎機能(糸球体ろ過量)と目標AUCからカルバートの式で投与量を算出しており、投与量の監査も腎機能を考慮して行います。カルボプラチンはシスプラチンと異なり、大量の補液や利尿薬は通常必要ありません。血圧上昇は降圧薬で管理し、直ちに中止するとは限らないと理解しておきます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成