20 歳男性。中学生の頃から夜間不眠かつ日中強烈な眠気を自覚するようになった。高…
20 歳男性。中学生の頃から夜間不眠かつ日中強烈な眠気を自覚するようになった。高校2 年になり、自分の意志で制御出来ない眠気に襲われるようになり、就寝後は最長2 時間の睡眠と5 ~10 回の夜間覚醒を繰り返し、起床時の疲れと頭痛、日中の脱力発作、突然の睡眠発作や自転車の居眠り運転が日常となった。生活の維持が困難となり、20 歳になって近隣の精神神経科病院を受診した。専門医による診察と検査の結果、ナルコレプシーと診断され、処方1 及び2 で治療を開始したが、3 ヶ月経過しても症状が改善されないため、今回処方1 が処方3 に変更された。(処方1 )モダフィニル錠100 mg 1 回3 錠(1 日3 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方2 )クロミプラミン塩酸塩錠25 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前 14 日分(処方3 )メチルフェニデート塩酸塩錠10 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝食後就寝前 14 日分変更後の処方箋を受け取った薬局薬剤師の対応として、適切なのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 処方医・医療機関が処方3 の薬剤の流通管理システムに登録済であることを確認する。メチルフェニデートは流通管理の対象で、処方医・医療機関が登録済みであることを確認する必要があります。
- ⑵ 処方3 の薬剤の流通管理システムは薬剤費の抑制を目的としている。流通管理システムは不正流通や乱用の防止が目的で、薬剤費の抑制が目的ではありません。
- ⑶ 処方2 の用法について就寝前ではなく朝ではないかと処方医に問い合わせる。クロミプラミンの就寝前投与は情動脱力発作などに用いられ、問い合わせる必要はありません。
- ⑷ 処方3 の用法について朝食後就寝前ではなく朝昼食後ではないかと処方医に問い合わせる。メチルフェニデートは不眠を起こすため就寝前の服用は不適切で、朝昼食後ではないかと問い合わせます。
- ⑸ 返却された処方1 の薬剤の残りを適切に廃棄・記録し、都道府県知事に届ける。患者から返却された向精神薬の廃棄は記録を残せばよく、都道府県知事への届出は不要です。
解説
正解は⑴と⑷です。ナルコレプシーに用いるメチルフェニデート塩酸塩錠は、不正流通や乱用を防ぐための流通管理システムの対象で、処方医と医療機関、調剤する薬局と薬剤師が登録されていることを確認してから調剤します。またメチルフェニデートは中枢刺激作用により不眠を起こすため、就寝前の服用は不適切であり、通常は朝と昼に分けて服用するので処方医に疑義照会します。流通管理は薬剤費の抑制目的ではありません。クロミプラミンの就寝前投与は情動脱力発作の抑制に用いられるため問題ないと判断できます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成