患者に発現している副作用として、最も疑われるのはどれか。1つ選べ。
58 歳男性。以前より、てんかん治療のため脳神経内科を受診し、処方1 の薬剤を服用していた。(処方1 )バルプロ酸Na 徐放錠200 mg 1 回2 錠(1 日4 錠)1 日2 回 朝夕食後 90 日分5 週間後にてんかん発作が発現し、処方2 が追加となり、その後、処方3 、処方4 と漸増された。処方4 の開始4 日目に、薬局の薬剤師が服用状況の確認のためフォローアップの電話をしたところ、患者から「発熱があり、眼が充血して皮膚の広い範囲が赤くなっている」旨の訴えがあった。(処方2 )ラモトリギン錠25 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後(隔日) 7 日分(処方3 )ラモトリギン錠25 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分(処方4 )ラモトリギン錠25 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)1 日1 回 朝食後 14 日分
患者に発現している副作用として、最も疑われるのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ ギラン・バレー症候群ギラン・バレー症候群は四肢の筋力低下が主症状で、発熱と皮膚・粘膜の症状の組み合わせとは異なります。
- ⑵ 横紋筋融解症横紋筋融解症は筋肉痛や脱力、赤褐色尿が主症状で、本症例の症状とは異なります。
- ⑶ 無顆粒球症無顆粒球症は発熱や咽頭痛が主症状で、眼の充血や広範囲の皮膚の発赤は特徴的ではありません。
- ⑷ スティーブンス・ジョンソン症候群ラモトリギンの漸増中に発熱、眼の充血、広範囲の皮膚の発赤があり、スティーブンス・ジョンソン症候群が最も疑われます。
- ⑸ 偽アルドステロン症偽アルドステロン症は甘草などで起こる低カリウム血症や高血圧が特徴で、本症例とは異なります。
解説
正解は⑷です。ラモトリギンを開始・増量している途中で、発熱、眼の充血、広範囲の皮膚の発赤が現れていることから、スティーブンス・ジョンソン症候群などの重篤な皮膚障害が最も疑われます。ラモトリギンはバルプロ酸と併用するとグルクロン酸抱合が阻害されて血中濃度が上がるため、併用時は通常より少量から隔日投与で開始するなど慎重な漸増が求められ、それでも投与初期の8週間以内に重篤な皮膚障害が起こりやすいとされます。このような症状が現れたら直ちに服用を中止して受診するよう伝えます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成