処方されたいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
60 歳女性。市町村が実施する検診で骨密度の低下が指摘され、近隣の整形外科を受診した。脆弱性骨折は見られなかったが、骨密度低下(腰椎骨密度測定値:若年成人平均値(YAM)の65%)のため骨粗しょう症と診断された。本日、以下の処方箋を持って初めて薬局を訪れた。(処方)バゼドキシフェン錠20 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)エルデカルシトールカプセル0.75 μg 1 回1 カプセル(1 日1 カプセル)1 日1 回 朝食後 14 日分
処方されたいずれかの薬物の作用機序として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ カルシトニン受容体を遮断することで、骨形成を促進する。カルシトニン製剤は受容体を刺激して破骨細胞の骨吸収を抑えます。遮断して骨形成を促す薬は処方されていません。
- ⑵ RANKL(NF-κB 活性化受容体リガンド)に結合することで、骨形成を促進する。RANKLに結合するデノスマブは骨吸収を抑制する薬で、処方薬にも該当しません。
- ⑶ ビタミンD 受容体を刺激することで、腸管からのカルシウム吸収を促進する。エルデカルシトールはビタミンD受容体を刺激し、腸管からのカルシウム吸収を促進します。
- ⑷ ファルネシルピロリン酸合成酵素を阻害することで、骨吸収を抑制する。ファルネシルピロリン酸合成酵素の阻害はビスホスホネートの機序で、処方薬に該当しません。
- ⑸ エストロゲン受容体に結合してエストロゲン様作用を示すことで、骨吸収を抑制する。バゼドキシフェンは骨でエストロゲン受容体に結合してエストロゲン様作用を示し、骨吸収を抑えます。
解説
正解は⑶と⑸です。エルデカルシトールは活性型ビタミンD3誘導体で、ビタミンD受容体を刺激して腸管からのカルシウム吸収を促し、骨吸収も抑えて骨密度を高めます。バゼドキシフェンは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)で、骨ではエストロゲン受容体に結合してエストロゲン様作用を示し、骨吸収を抑制します。カルシトニン製剤は受容体を刺激して骨吸収を抑え、RANKLに結合するデノスマブは骨吸収を抑制します。ファルネシルピロリン酸合成酵素の阻害は窒素含有ビスホスホネートの機序です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成