この患者が摂取したと疑われる物質はどれか。1つ選べ。
28 歳男性。勤務先のメッキ工場で、ビンに小分けしてあった液体を誤って飲用した。その直後に苦しがったため、近くにいた同僚が救急車を要請し、救急搬送された。来院時、頭痛、悪心、嘔吐及び頻脈を認めた。胃洗浄時に採取した胃内容物をシェーンバイン法により検査したところ、グアヤク試験紙が青色へ変化した。
この患者が摂取したと疑われる物質はどれか。1つ選べ。
- ⑴ ヒ素ヒ素の検出にはグートツァイト法などが用いられ、シェーンバイン法では検出されません。
- ⑵ トルエントルエンは有機溶剤で、シェーンバイン法で青変する物質ではありません。
- ⑶ ジクロルボスジクロルボスは有機リン系殺虫剤で、シェーンバイン法では検出されません。
- ⑷ シアン化カリウムシアン化カリウムは胃酸でシアン化水素を生じ、シェーンバイン法でグアヤク試験紙を青変させます。
- ⑸ n-ヘキサンn-ヘキサンは有機溶剤で多発神経障害を起こしますが、この試験では検出されません。
解説
正解は⑷です。シェーンバイン法は、グアヤク脂と硫酸銅を含ませた試験紙を用いるシアン化水素の検出法で、シアン化水素が存在すると試験紙が青色に変化します。メッキ工場ではシアン化カリウムなどのシアン化合物がメッキ液に使われており、誤飲すると胃酸と反応してシアン化水素が発生します。シアンはシトクロムcオキシダーゼを阻害して細胞呼吸を止めるため、頭痛、悪心、嘔吐、頻脈などが急速に現れます。ほかの物質はいずれもこの試験で陽性を示さない物質です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成