処方薬は、この患者で不足しているホルモンの作用を補う目的で使われている。そのホル…
52 歳男性。中枢性尿崩症の診断を受け、以下の薬剤による治療が開始となった。(処方)デスモプレシン点鼻スプレー2.5 μg 1 本1 日2 回1 回4 噴霧
処方薬は、この患者で不足しているホルモンの作用を補う目的で使われている。そのホルモンに関する記述として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ ジスルフィド結合で架橋されたA、B 鎖からなるポリペプチドである。ジスルフィド結合で架橋されたA鎖とB鎖からなるのはインスリンで、バソプレシンは9残基のペプチドです。
- ⑵ 視床下部ホルモンの刺激により、下垂体前葉の細胞で産生される。バソプレシンは視床下部の神経細胞で産生され、下垂体後葉から分泌されます。
- ⑶ 心臓に作用し、グアニル酸シクラーゼを活性化して、血圧を低下させる。グアニル酸シクラーゼを活性化して血圧を下げるのは心房性ナトリウム利尿ペプチドです。
- ⑷ 血管平滑筋細胞に作用し、ホスホリパーゼC を活性化して、血管を収縮させる。バソプレシンは血管平滑筋のV1受容体を介してホスホリパーゼCを活性化し、血管を収縮させます。
- ⑸ 腎集合管の細胞に作用し、プロテインキナーゼA を活性化して、水の再吸収を促進する。腎集合管のV2受容体を介してプロテインキナーゼAを活性化し、水の再吸収を促進します。
解説
正解は⑷と⑸です。中枢性尿崩症で不足しているのはバソプレシン(抗利尿ホルモン)で、9個のアミノ酸からなるペプチドホルモンです。視床下部の視索上核や室傍核の神経細胞で作られ、下垂体後葉から分泌されます。血管平滑筋ではV1受容体を介してGqからホスホリパーゼCを活性化し、血管を収縮させます。腎集合管ではV2受容体を介してGsからcAMPを増やし、プロテインキナーゼAによりアクアポリン2を管腔側の膜に移行させて水の再吸収を促進します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成