採取した患者の血液中に含まれる成分で、このアレルギー検査で測定されたのはどれか。…
30 歳男性。2 月から突然のくしゃみ、鼻水、目のかゆみが出始め、仕事にも集中できなくなり、翌月に近所の耳鼻科医院を受診した。その場で、簡便なアレルギー検査を行うことになった。この検査キットは、抗原抗体反応を利用したクロマトグラフィーの原理を用いている。患者の血液サンプルを用いた約20 分の検査で、ハウスダスト系(ヤケヒョウヒダニ、ゴキブリ、ネコ皮屑、イヌ皮屑)、花粉系(スギ、カモガヤ、ブタクサ、ヨモギ)の計8 種類のアレルゲンに対するアレルギーの有無を判定できる。図の検体(血液)滴下部にこの患者の血液サンプルを滴下して5 分待ち、続いて展開液滴下部にキットの展開液を滴下して15 分待ち、判定部に出現するバンドを確認したところ、下図のように、C(コントロール)以外に1 本のバンドが認められた。アレルギー迅速検査キットC ― Cネコダニ ― ヨモギイヌ 判定部カモガヤブタクサ ― ゴキブリスギ (Cはコントロール判定)検体(血液)滴下部展開液滴下部
採取した患者の血液中に含まれる成分で、このアレルギー検査で測定されたのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ スギ花粉(アレルゲン)スギ花粉のアレルゲンは判定部に固定されているキット側の成分で、血液中の測定対象ではありません。
- ⑵ 抗ヒトIgE 抗体抗ヒトIgE抗体は結合したIgEを検出するためのキット側の試薬です。
- ⑶ スギ花粉に特異的なIgE血液中のスギ花粉特異的IgEが固定化アレルゲンに結合し、スギの位置にバンドとして検出されます。
- ⑷ スギ花粉に特異的なIgG花粉症などの即時型アレルギーの診断に用いるのはアレルゲン特異的IgEで、IgGではありません。
- ⑸ IgE に特異的なFc 受容体IgEのFc受容体はマスト細胞などの細胞表面にあるもので、この検査の測定対象ではありません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑶です。このアレルギー迅速検査キットは、判定部に各アレルゲンを固定しておき、血液中のアレルゲン特異的IgEがそこに結合したものを標識した抗ヒトIgE抗体で検出するイムノクロマト法の原理を用いています。図ではスギの位置にバンドが出ていることから、患者の血液中にスギ花粉に特異的なIgEが存在すると判定できます。スギ花粉そのものや抗ヒトIgE抗体は検査試薬の側の成分であり、即時型アレルギーに関わるのはIgGではなくIgEです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成