本症例において、薬剤師が留意すべき重大な副作用はどれか。1つ選べ。
1 歳男児。体重10 kg。中等度の急性副鼻腔炎と診断され、アモキシシリン水和物散が処方されたが効果不十分と判断され、薬剤感受性を考慮し以下の処方へ変更になった。(処方)セフカペンピボキシル塩酸塩細粒10% 1 回0.3 g(1 日0.9 g)1 日3 回 朝昼夕食後 5 日分
本症例において、薬剤師が留意すべき重大な副作用はどれか。1つ選べ。
- ⑴ 甲状腺組織の直接的障害による甲状腺機能低下症甲状腺組織の障害による甲状腺機能低下はアミオダロンやヨウ素製剤などで問題になる副作用です。
- ⑵ 糖新生抑制による乳酸アシドーシス乳酸アシドーシスはビグアナイド系薬で問題となる副作用で、本剤とは関係しません。
- ⑶ ヒスタミン遊離によるレッドネック症候群レッドネック症候群はバンコマイシンの急速投与で起こる副作用です。
- ⑷ ビタミンA 欠乏による視覚障害ビタミンA欠乏による視覚障害は本剤の重大な副作用ではありません。
- ⑸ 血清カルニチン低下による低血糖ピボキシル基由来のピバリン酸がカルニチンを排泄させ、乳幼児で重篤な低血糖を起こすことがあります。
解説
正解は⑸です。セフカペンピボキシルのようなピボキシル基をもつ抗菌薬は、吸収後に代謝されてピバリン酸を生じ、これがカルニチンと結合してピバロイルカルニチンとして尿中に排泄されます。その結果、血清カルニチンが低下し、脂肪酸のβ酸化と糖新生が障害されて低血糖が起こります。特にカルニチンの蓄えが少ない乳幼児で痙攣や意識障害を伴う重篤な低血糖の報告があり、注意が必要です。ほかの選択肢は、それぞれ別の薬で問題となる副作用であり、本剤の重大な副作用とは異なります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成