SP 療法の施行に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
72 歳男性。身長173 cm、体重63 kg。タール便があり、近医にて内視鏡検査を施行したところ、胃噴門部に腫瘤を認め総合病院の消化器外科に紹介となった。精査の結果、胃がんStage Ⅳ、肝転移及び多発リンパ節転移と診断され、胃がんの一次治療としてS-1*/シスプラチン療法(SP 療法)を導入することになった。そこで自宅にてS-1 の服用を開始し(Day 1)、Day 8 よりシスプラチン注射液を投与するため投与前日(Day 7)に入院となった。*:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(処方)Day 1~21 に内服テガフール20 mg・ギメラシル・オテラシル配合口腔内崩壊錠1 回3 錠(1 日6 錠)1 日2 回 朝夕食後 21 日分Day 8 にシスプラチン注射液60 mg/m² : 120 分かけて点滴静注
SP 療法の施行に関する記述のうち、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ シスプラチン注射液は5 %ブドウ糖注射液で希釈する。シスプラチンは塩化物イオンが少ないと分解しやすいため、生理食塩液で希釈します。
- ⑵ デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム注射液、アプレピタントカプセルを投与するのはシスプラチン注射液の投与前日(Day 7)である。デキサメタゾンとアプレピタントは、シスプラチン投与当日(Day 8)の投与前に用います。
- ⑶ シスプラチン注射液の投与翌日(Day 9)に、セロトニン5-HT1 受容体遮断薬を投与する。制吐に用いるのは5-HT3受容体遮断薬で、シスプラチン投与当日の投与前に用います。
- ⑷ シスプラチン注射液の投与前(Day 8)に十分な量の輸液を投与する。シスプラチンの腎障害を防ぐため、投与前から十分な輸液を行い尿量を確保します。
- ⑸ 体重からシスプラチン注射液の投与量を算出する。シスプラチンの投与量は60 mg/m²のように体表面積から算出します。
解説
正解は⑷です。シスプラチンは腎毒性が強いため、投与前から十分な量の輸液を行い、尿量を確保して腎障害を予防します(ハイドレーション)。シスプラチンは塩化物イオン濃度が低いと活性体に変化しやすく分解されるため、生理食塩液で希釈し、ブドウ糖液単独での希釈は避けます。高度催吐性リスクのため、デキサメタゾンとアプレピタント、5-HT3受容体遮断薬はシスプラチン投与当日(Day 8)の投与前に用い、投与量は体重ではなく体表面積から算出する点もあわせて押さえておきます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成