薬物動態の非線形性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
薬物動態の非線形性に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 薬物代謝が非線形性を示す場合、全身クリアランスは投与量の増加に伴い変化する。代謝が非線形性を示す場合、投与量の増加に伴い代謝が飽和し、全身クリアランスが変化します。
- ⑵ 血漿タンパク結合に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは低下する。タンパク結合が飽和すると非結合形分率が上がるため、全身クリアランスは増加します。
- ⑶ 肝臓の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の分布容積は増加する。肝代謝酵素の飽和はクリアランスに影響しますが、分布容積は変化しません。
- ⑷ 小腸上皮細胞の薬物代謝酵素に飽和が生じた場合、薬物の全身クリアランスは低下する。小腸の代謝酵素の飽和はバイオアベイラビリティを上げますが、全身クリアランスには影響しません。
- ⑸ 尿細管分泌を担う担体輸送に飽和が生じた場合、薬物の尿細管分泌クリアランスは低下する。尿細管分泌の担体が飽和すると、分泌量が頭打ちになり分泌クリアランスは低下します。
解説
正解は⑴と⑸です。薬物代謝が飽和して非線形性を示す場合、投与量が増えるほど全身クリアランスは低下し、投与量によって値が変わります。尿細管分泌を担う輸送担体が飽和すると、濃度が上がっても分泌量が頭打ちになるため、分泌クリアランスは低下します。血漿タンパク結合が飽和すると非結合形分率が上がり、全身クリアランスや分布容積はむしろ増加します。肝代謝の飽和は分布容積を変えず、小腸の代謝が飽和するとバイオアベイラビリティが上がりますが、全身クリアランスは変化しないと考えます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198925.html)を加工して作成