53 歳男性。入院中に発症した頻脈性不整脈に対して以下の処方が開始となった。(処…
53 歳男性。入院中に発症した頻脈性不整脈に対して以下の処方が開始となった。(処方)シベンゾリンコハク酸塩錠100 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 4 日分4 日後、朝服用して2 時間後に血中濃度を測定すると920 ng/mL となっていた(目標域:800 ng/mL 以下)。なお、患者のeGFR は30 mL/min/1.73 m² であり、肝機能値は正常範囲内であった。この症例に対する薬剤師が医師に行う提案として、適切でないのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 徐脈や血圧低下の可能性があるため、脈拍数と血圧をモニターする。血中濃度が目標域を超えており、徐脈や血圧低下に備えて脈拍と血圧をモニターするのは適切です。
- ⑵ 低血糖が現れる可能性があるため、血糖値を測定する。シベンゾリンは低血糖を起こすことがあるため、血糖値の測定は適切です。
- ⑶ PQ の延長やQRS 幅の増大などの心電図異常が認められる可能性があるため、心電図をモニターする。Na⁺ チャネル遮断により PQ 延長や QRS 幅の増大が起こりうるため、心電図のモニターは適切です。
- ⑷ 腎機能に応じた投与量の減量をする。腎排泄型で eGFR 30 と腎機能が低下しているため、腎機能に応じた減量は適切です。
- ⑸ 過量投与への対応として5 %ブドウ糖液とフロセミドを使用する。5%ブドウ糖液とフロセミドによる強制利尿は、シベンゾリン過量投与への対応として適切ではありません。
解説
正解は⑸です。シベンゾリンは主に腎排泄される抗不整脈薬で、腎機能が低下した患者では血中濃度が上がりやすく、徐脈や血圧低下、PQ 延長や QRS 幅の拡大などの心電図異常、インスリン分泌促進による低血糖が現れることがあります。そのためバイタルサイン、血糖、心電図をモニターし、腎機能に応じて減量します。5%ブドウ糖液とフロセミドによる強制利尿は過量投与への対応として推奨されていません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成