その後、この患者は歩行困難となり、化学療法による副作用と疑われた。この場合の薬剤…
60 歳男性。息切れ、倦怠感が継続するため検査したところ、フィラデルフィア染色体陰性の急性リンパ性白血病と診断され、以下の化学療法を施行した。担当薬剤師が患者から「手や足がピリピリとしびれ、物がつかみづらい」との訴えを受け、副作用が疑われた。医薬品名・投与量 投与経路・投与時間 投与日シクロホスファミド水和物注射用点滴静注(3 時間) 1 日目1,200 mg/m² + 生理食塩液250 mLダウノルビシン塩酸塩注射用60 mg/m² +点滴静注(1 時間) 1 日目生理食塩液100 mLビンクリスチン硫酸塩注射用1.3 mg/m²点滴静注(10 分) 8 、15、22 日目+ 生理食塩液50 mLL-アスパラギナーゼ注射用3,000 IU/m² + 9 、11、13、16、点滴静注(2 時間)5 %ブドウ糖注射液500 mL ― 18、20 日目1 ~21 日目以後プレドニゾロン錠60 mg/m²(1 日量) 1 日2 回 朝昼食後漸減
その後、この患者は歩行困難となり、化学療法による副作用と疑われた。この場合の薬剤師の対応として、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 副作用が疑われる医薬品の製造販売業者に副作用の可能性があることを報告した。製造販売業者への副作用情報の提供は、医薬関係者に求められる協力として適切です。
- ⑵ 副作用が疑われる医薬品の製造販売業者に副作用の治療費を請求した。副作用の治療費を薬剤師が製造販売業者に請求することはありません。
- ⑶ 適正に使用された医薬品は、全て副作用被害救済制度の対象になるので、申請を患者に勧めた。抗がん剤など一部の医薬品は副作用被害救済制度の対象外であり、すべてが対象になるわけではありません。
- ⑷ 医薬品と副作用の因果関係が明確ではなかったが、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ報告した。因果関係が明確でなくても、必要と認めるときは PMDA へ副作用を報告します。
- ⑸ 副作用が疑われる医薬品について、病院のホームページにて患者情報を公開して、注意喚起を行った。患者情報をホームページで公開することは守秘義務と個人情報保護に反します。
解説
正解は⑴と⑷です。医薬品医療機器等法では、薬剤師などの医薬関係者は製造販売業者が行う副作用情報の収集に協力するよう努めることとされており、製造販売業者に副作用の可能性を伝えることは適切です。また、保健衛生上の危害の発生や拡大を防ぐため必要があると認めるときは、因果関係が明確でなくても PMDA を通じて厚生労働大臣に副作用を報告します。抗がん剤は副作用被害救済制度の対象外です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成