下図は、病因物質(A~E)による食中毒の患者数と事件数の年次別推移を示したもので…
10 月14 日(月曜日)に小学校において、50 名の児童が発熱・嘔吐・下痢の症状で欠席し、翌日にも同様の症状でさらに65 名が欠席し児童の多くが病院を受診しているとの連絡が保健所にあった。早速、これらの患者のうち、60 名の検体について検査を行ったところ、48 名の検体から同一の病因物質を検出した。患者らの共通食は学校給食のみであり、10 月11 日(金曜日)に遠足のために給食を食べなかった学年に有症者がいないことから、給食が食中毒の原因と断定した。なお、衛生検査用に冷凍保存されていた同じ給食を調べた結果、原材料の鶏肉からも同じ病因物質を検出した。これを顕微鏡で観察したところ、写真の様に細長い、らせん状の形態を示していた。病因物質の顕微鏡像
下図は、病因物質(A~E)による食中毒の患者数と事件数の年次別推移を示したものである。この給食による食中毒の病因物質はどれか。1つ選べ。
- ⑴ 病因物質A病因物質Aは患者数が最も多いノロウイルスと考えられ、らせん状の細菌ではありません。
- ⑵ 病因物質B事件数・患者数ともに多い推移を示すBがカンピロバクターで、鶏肉が主な原因食品です。
- ⑶ 病因物質C病因物質Cはカンピロバクターとは異なる推移を示す病因物質で、本事例の原因ではありません。
- ⑷ 病因物質D病因物質Dはカンピロバクターとは異なる推移を示す病因物質で、本事例の原因ではありません。
- ⑸ 病因物質E病因物質Eはカンピロバクターとは異なる推移を示す病因物質で、本事例の原因ではありません。
この問題は問題の図(写真・図・表など)を見て答えます。図はこちらに転載していないため、下の出典のページから公式のPDFをご覧ください。解説だけでも読み取り方が分かるように書いています。
解説
正解は⑵です。鶏肉から検出され、顕微鏡でらせん状の細長い形態を示すことから、病因物質はカンピロバクター・ジェジュニ/コリと考えられます。カンピロバクターは潜伏期間が2〜7日とやや長く、少ない菌量でも感染が成立します。2016〜2018年度の統計では、細菌性食中毒の中で事件数が最も多く、患者数はノロウイルスに次いで多い水準で推移しており、図の病因物質Bにあたります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成