セフジニルには不斉炭素があり、旋光性を示すので、旋光度測定で確認することができる…
60 歳女性。背中の粉瘤(注)が感染を起こしたため皮膚科を受診し、以下の処方箋を持って薬局を訪れた。(注) 粉瘤(アテローム):皮膚の下に袋状の嚢腫ができ、本来皮膚から剥げ落ちるはずの垢(角質)と皮膚の脂(皮脂)が、剥げ落ちずに袋の中にたまってしまってできた腫瘍の総称。(処方)セフジニルカプセル100 mg 1 回1 カプセル(1 日3 カプセル)1 日3 回 朝昼夕食後 5 日分また、患者が持参したお薬手帳から、以下の薬剤を服用中であることがわかった。エナラプリルマレイン酸塩錠5 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 朝食後 28 日分L-アスパラギン酸Ca 錠200 mg 1 回2 錠(1 日6 錠)レバミピド錠100 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 28 日分クエン酸第一鉄ナトリウム錠50 mg 1 回2 錠(1 日2 錠)プラバスタチンNa 錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 夕食後 28 日分
セフジニルには不斉炭素があり、旋光性を示すので、旋光度測定で確認することができる。日本薬局方セフジニル(C14H13N5O5S2:395.41)の旋光度の項には、以下のように記されている。[α]D20:-58~-66°(0.25 g、pH 7.0 の0.1 mol/L リン酸塩緩衝液、25 mL、100 mm).以下の記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ 日本薬局方では、旋光度の測定には、通例、光源として重水素放電管が用いられる。日本薬局方の旋光度測定では、通例、光源としてナトリウムスペクトルの D 線を用います。重水素放電管は紫外吸収測定の光源です。
- ⑵ セフジニルは右旋性である。比旋光度が負の値なので、セフジニルは左旋性です。
- ⑶ 試料中に前問の併用注意薬物が共存する場合でも、セフジニル自体の比旋光度は変わらない。比旋光度は物質固有の値で、共存物質があってもセフジニル自体の比旋光度は変わりません。
- ⑷ この条件下で測定した場合、日本薬局方セフジニルの旋光度の範囲は、-0.58~-0.66°である。c=0.01 g/mL、l=1 dm より、α=-0.58〜-0.66°となります。
- ⑸ 層長200 mm の測定管を用いると、測定されるセフジニルの旋光度の値は1/2になる。旋光度は層長に比例するため、200 mm の測定管では値は2倍になります。
解説
正解は⑶と⑷です。旋光度 α は比旋光度[α]、層長 l(dm)、濃度 c(g/mL)の積で表されます。この条件では c=0.25÷25=0.01 g/mL、l=1 dm なので、α=-58×0.01〜-66×0.01=-0.58〜-0.66°となります。比旋光度は物質固有の値なので、鉄剤などほかの物質が共存してもセフジニル自体の比旋光度は変わりません。日本薬局方では光源にナトリウムの D 線を用い、負の値は左旋性を表します。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成