日本薬局方に記載されているハロゲン化物の定性反応A~Dに関する記述のうち、正しい…
日本薬局方に記載されているハロゲン化物の定性反応A~Dに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。定性反応A 本品の溶液に ア 試液を加えるとき、淡黄色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部にアンモニア水(28)を加えて振り混ぜた後、分離した液に希硝酸を加えて酸性にするとイ白濁する。B 本品の溶液に ア 試液を加えるとき、ウ沈殿を生じる。この一部に希硝酸を、また、他の一部にアンモニア水(28)を追加してもいずれも沈殿は溶けない。C 本品の溶液に ア 試液を加えるとき、白色の沈殿を生じる。沈殿を分取し、この一部に希硝酸を加えても溶けない。また、他の一部にエ過量のアンモニア試液を加えるとき、溶ける。D 本品の溶液に塩素試液を加えるとき、黄褐色を呈する。これを二分し、この一部にクロロホルムを追加して振り混ぜるとき、クロロホルム層は黄褐色~赤褐色を呈する。また、他の一部にフェノールを追加するとき、オ白色の沈殿を生じる。
- ⑴ ア に入る化合物は、塩化銀である。アに入るのは沈殿を作らせる側の硝酸銀です。塩化銀は塩化物との反応で生じる沈殿の名前です。
- ⑵ 下線部イの白濁は臭化銀の生成による。アンモニア水に溶けた臭化銀が、酸性にすると再び臭化銀として析出して白濁するため正しい記述です。
- ⑶ 下線部ウの沈殿は黒紫色を呈する。Bはヨウ化物の反応で、生じるヨウ化銀の沈殿は黄色です。黒紫色ではありません。
- ⑷ 下線部エでは銀イオンが水酸化物イオンと錯イオンを形成する。塩化銀がアンモニアに溶けるのは、銀イオンがアンモニア分子と[Ag(NH3)2]⁺の錯イオンを作るためで、水酸化物イオンとの錯イオンではありません。
- ⑸ 下線部オの白色の沈殿は2,4,6-トリブロモフェノールである。塩素で遊離した臭素がフェノールのオルト位とパラ位を置換し、水に溶けにくい2,4,6-トリブロモフェノールが白色沈殿となるため正しい記述です。
解説
正解は⑵と⑸です。Aは臭化物の反応で、硝酸銀試液により淡黄色の臭化銀が沈殿します。アンモニア水に一部溶けた臭化銀は、希硝酸で酸性にすると再び臭化銀となって白濁します。Dも臭化物で、塩素により遊離した臭素がフェノールと反応し、白色の2,4,6-トリブロモフェノールが沈殿します。Bはヨウ化物で黄色のヨウ化銀、Cは塩化物で白色の塩化銀が生じ、塩化銀は過量のアンモニアとジアンミン銀錯イオンを作って溶けます。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198924.html)を加工して作成