73 歳男性。身長168 cm、体重51 kg。食欲不振、不眠、軟便の訴えがあっ…
73 歳男性。身長168 cm、体重51 kg。食欲不振、不眠、軟便の訴えがあった。本日患者宅を訪問し、フィジカルアセスメントを実施した。四肢は温かく、明らかな口腔内の乾燥や脱水の症状はなかった。呼吸回数は20 回 / 分、血圧は120 /75 mmHg、脈拍は110 回 / 分であった。現在の処方及び血液検査結果は以下のとおりであった。医師への提案として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。(処方)テオフィリン徐放錠200 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝食後・就寝前 30 日分シムビコートタービュヘイラー60 吸入用(注) 1 本1 回1 吸入(1 日2 回) 朝就寝前 吸入注: ブデソニド及びホルモテロールフマル酸塩水和物を含有する吸入粉末剤。1 吸入で、ブデソニドとして160 μg、ホルモテロールフ( )マル酸塩水和物として4.5 μg を吸入できる(血液検査結果)BUN 17.2 mg/dL、血清クレアチニン値0.82 mg/dL、AST 24 IU/L、ALT 15 IU/L、総ビリルビン1.07 mg/dL、血清アルブミン3.1 g/dL、コリンエステラーゼ(ChE)240 U/L
- ⑴ シムビコートタービュヘイラーを1 回1 吸入から2 吸入に変更シムビコートの増量はホルモテロールの作用で頻脈をさらに悪化させるおそれがあります。
- ⑵ 5 %ブドウ糖注射液の投与脱水の所見はなく、症状の原因はテオフィリン中毒が疑われるため、ブドウ糖液の投与は適切ではありません。
- ⑶ テオフィリンの休薬と血中濃度測定食欲不振、不眠、頻脈はテオフィリン中毒を疑わせるため、休薬と血中濃度の測定を提案します。
- ⑷ 生理食塩液の投与脱水の所見はなく、生理食塩液の投与は症状の原因への対処になりません。
- ⑸ プロプラノロール塩酸塩10 mg の投与非選択的β遮断薬のプロプラノロールは気管支を収縮させるため、喘息患者には不適切です。
解説
正解は⑶です。この患者は食欲不振、不眠、軟便を訴え、脱水の所見がないのに脈拍が110回/分と頻脈になっています。これらはテオフィリンの中毒症状(消化器症状、不眠、頻脈など)と一致します。高齢で低アルブミン血症があり、遊離形濃度が上がりやすいことも考えられます。テオフィリンは治療域が狭いため、休薬して血中濃度を測定するよう提案するのが最も適切です。ブドウ糖液や生理食塩液の投与、吸入回数の増加、プロプラノロールの投与は適切ではありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成