その後、販売したこの医薬品について調査を行ったところ、一部の成分の投入量を誤って…
薬局において、以下の「かぜ薬4 -②」(薬局製造販売医薬品)を販売した。その翌日、購入者から、10 歳の息子が今朝この薬を服用して30 分後くらいから呼吸が苦しくなり意識が薄らいできたとの電話相談があった。購入者は、購入後初めてこの医薬品を使用したとのことであった。なお、この医薬品の製造後、最初に販売したのがこの購入者であり、他の購入者はいなかった。日本薬局方 アセトアミノフェン 0.36 g日本薬局方 エテンザミド 0.9 g日本薬局方 クロルフェニラミンマレイン酸塩散 0.0075 g日本薬局方 dl-メチルエフェドリン塩酸塩散 0.6 g日本薬局方 ジヒドロコデインリン酸塩散1 % 2.4 g日本薬局方 デンプン ― 適量全量 6.0 g用法・用量1 回量を次のとおりとし、1 日3 回、食後服用する。大人(15 才以上) 1 包2.0 g11 才以上15 才未満 大人の2/37 才以上11 才未満 大人の1/23 才以上7 才未満 大人の1/31 才以上3 才未満 大人の1/4
その後、販売したこの医薬品について調査を行ったところ、一部の成分の投入量を誤って製造していたことが判明したため、薬剤師は薬局の製造物責任の検討を行った。製造物責任に関する記述のうち、正しいのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ この医薬品は、製造物責任法における「製造物」に該当しうる。薬局で製造された薬局製剤は製造・加工された動産であり、製造物責任法の「製造物」に該当し得ます。
- ⑵ この医薬品の成分投入量が正しければ、添付文書等に不備があっても、製造物責任法における「欠陥」には該当しない。添付文書などの表示の不備も指示・警告上の欠陥に当たり、製造物責任法の「欠陥」に該当し得ます。
- ⑶ 購入者は、製造物責任に基づく損害賠償請求を行う場合、医薬品の「欠陥」の他に薬局の「過失」を立証する必要がある。製造物責任法では過失の立証は不要で、欠陥・損害・因果関係を立証すれば賠償を請求できます。
- ⑷ 医薬品については、製造物責任法における「欠陥」は、最高の科学水準で求められる安全性を欠いていることをいう。「欠陥」とは、その製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいい、最高の科学水準を基準とするものではありません。
- ⑸ 身体に損害があった場合の製造物責任に基づく損害賠償請求には、消滅時効はない。製造物責任に基づく損害賠償請求権には消滅時効があり、損害と賠償義務者を知った時から一定期間で消滅します。
解説
正解は⑴です。製造物責任法の「製造物」は製造または加工された動産をいい、薬局が製造して販売する薬局製剤(薬局製造販売医薬品)も該当し得ます。欠陥には製造上の欠陥のほか、設計上の欠陥や、添付文書などの指示・警告上の欠陥も含まれます。被害者は製造業者の過失を立証する必要はなく、欠陥と損害、因果関係を示せば賠償を請求できます。欠陥は通常有すべき安全性を欠くことをいい、損害賠償請求権には消滅時効があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成