このバイオ後続品は、先行バイオ医薬品の特許期間、再審査期間の終了後に開発されたも…
60 歳女性。10 年前に2 型糖尿病の診断を受けた後、インスリン補充療法による薬物治療を行っている。薬剤師が面談したところ、患者は毎月の支払費用を負担に感じていたとのことであった。そこで、医師にインスリン グラルギンのバイオ後続品に切り替えることで医療費軽減になることを提案し、医師はバイオ後続品への切り替えを認めた。薬剤師は、このバイオ後続品の添付文書等を確認した上で、患者に説明することになった。なお、併用薬はない。
このバイオ後続品は、先行バイオ医薬品の特許期間、再審査期間の終了後に開発されたものである。バイオ医薬品の場合、一般的な化学合成の医薬品とは特性が異なるため、バイオ後続品の製造販売承認申請に必要な資料は、通常の後発医薬品とは異なる。次のうち、後発医薬品の承認申請には不要であるが、バイオ後続品の承認申請に必要になる資料はどれか。1つ選べ。ただし、吸入粉末剤の後発医薬品は例外とする。
- ⑴ 製造方法に関する資料製造方法に関する資料は後発医薬品の承認申請でも必要で、バイオ後続品だけに必要な資料ではありません。
- ⑵ 費用対効果に関する資料費用対効果に関する資料は承認申請に必要な資料ではありません。
- ⑶ 生物学的同等性に関する資料生物学的同等性に関する資料は後発医薬品の承認申請に必要な資料です。
- ⑷ 臨床試験成績に関する資料バイオ後続品では、先行品との有効性・安全性の同等性を確かめる臨床試験成績の資料が必要です。
- ⑸ 添付文書等記載事項に関する資料添付文書等記載事項に関する資料は後発医薬品の申請にも必要で、バイオ後続品だけの資料ではありません。
解説
正解は⑷です。化学合成の後発医薬品は、有効成分が先発医薬品と同一であることを示しやすいため、規格や安定性、生物学的同等性試験の資料で承認申請でき、臨床試験は原則として不要です。一方、バイオ後続品は分子が大きく構造が複雑で、製造工程によって性質が変わり得るため、先行品と同一とは示せません。そのため品質特性の比較に加えて、臨床試験で有効性と安全性の同等性・同質性を確認する資料が必要です。費用対効果の資料は承認申請には用いません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成