薬剤師の助言の内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
91 歳女性。骨粗しょう症の治療でアレンドロン酸ナトリウム経口ゼリー剤を服用中である。先日、薬剤師が在宅訪問した際に手足のしびれや筋肉の硬直を訴えていたため主治医に報告したところ、本日、医師の訪問診療時に低カルシウム血症であることが判明し、食事の摂取量低下の影響で低栄養状態でもあったため、塩化カルシウム注射液(1 mEq/mL)20 mL とビーフリード輸液※500 mL を末梢血管から投与する指示が出された。翌日、訪問看護師が2 剤を混合したところ、輸液が若干白濁していることに気付き、在宅訪問した薬剤師に相談があった。※ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液(主な電解質成分として、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L-乳酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、硫酸亜鉛水和物を含有)
薬剤師の助言の内容として、最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ 若干白濁した程度であれば静脈内投与しても問題ない。白濁はリン酸カルシウムの沈殿で、静脈内に投与すると肺塞栓などを起こすおそれがあり使用できません。
- ⑵ インラインフィルターを使用する。インラインフィルターを使っても、沈殿が生じる配合そのものの問題は解決しません。
- ⑶ 新たに2 剤を混合し8 ℃以下に保管する。再び2剤を混合すれば同様に沈殿が生じるため、冷所保存しても解決になりません。
- ⑷ 2 剤を混合せず、ビーフリード輸液を点滴し、側管から塩化カルシウム注射液を急速静注する。側管から投与すると同じルート内で混ざり、沈殿のおそれがあるうえ、カルシウムの急速静注は不整脈の危険があります。
- ⑸ 2 剤を混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液に希釈し、ビーフリード輸液とは別に点滴投与する。2剤を混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液で希釈して別に点滴投与するのが適切です。
解説
正解は⑸です。白濁はリン酸カルシウムの沈殿によるもので、そのまま静脈内に投与すると肺塞栓などの重大な事故につながるおそれがあるため使用できません。リン酸を含むビーフリード輸液と高濃度の塩化カルシウム注射液は混合せず、塩化カルシウム注射液を生理食塩液で希釈して、ビーフリード輸液とは別に点滴投与するのが適切です。インラインフィルターや冷所保存では沈殿の生成を防げず、カルシウム製剤の急速静注は不整脈などの危険があります。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成