この輸液の白濁の原因と考えられる電解質成分の組合せとして最も適切なのはどれか。1…
91 歳女性。骨粗しょう症の治療でアレンドロン酸ナトリウム経口ゼリー剤を服用中である。先日、薬剤師が在宅訪問した際に手足のしびれや筋肉の硬直を訴えていたため主治医に報告したところ、本日、医師の訪問診療時に低カルシウム血症であることが判明し、食事の摂取量低下の影響で低栄養状態でもあったため、塩化カルシウム注射液(1 mEq/mL)20 mL とビーフリード輸液※500 mL を末梢血管から投与する指示が出された。翌日、訪問看護師が2 剤を混合したところ、輸液が若干白濁していることに気付き、在宅訪問した薬剤師に相談があった。※ビタミンB1・糖・電解質・アミノ酸液(主な電解質成分として、リン酸二カリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、クエン酸ナトリウム水和物、L-乳酸ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム水和物、硫酸マグネシウム水和物、硫酸亜鉛水和物を含有)
この輸液の白濁の原因と考えられる電解質成分の組合せとして最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ Cl⁻ とMg²⁺塩化マグネシウムは水によく溶け、Cl⁻とMg²⁺の組合せでは白濁は生じません。
- ⑵ Cl⁻ とZn²⁺塩化亜鉛は水溶性で、Cl⁻とZn²⁺の組合せでは沈殿は生じにくいです。
- ⑶ PO4³⁻ とCa²⁺高濃度のCa²⁺がリン酸イオンと結合して難溶性のリン酸カルシウムを生じ、白濁の原因になります。
- ⑷ PO4³⁻ とチアミンチアミンは陽イオン性のビタミンですが、リン酸と結合して白濁を起こす原因とは考えにくいです。
- ⑸ L-Lactate⁻ とCa²⁺乳酸カルシウムは水に溶けるため、L-乳酸イオンとCa²⁺では白濁は生じにくいです。
- ⑹ Citrate³⁻ とK⁺クエン酸カリウムは水によく溶け、Citrate³⁻とK⁺では沈殿は生じません。
解説
正解は⑶です。ビーフリード輸液にはリン酸二カリウムやリン酸水素ナトリウムなどのリン酸塩が含まれています。ここに高濃度の塩化カルシウム注射液(20 mEq)を加えると、カルシウムイオンとリン酸イオンが結合して難溶性のリン酸カルシウムが生じ、白濁や沈殿の原因になります。リン酸カルシウムの沈殿は肺塞栓などの重大な事故につながることがあります。塩化物イオンや乳酸イオン、クエン酸イオンとの組合せは、この条件では沈殿を生じにくいです。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成