ニボルマブの投与3 回を経過した時点で1 日6 回以上の下痢、強い腹痛、発熱37…
63 歳男性。体重64 kg。左腎にがんを指摘され部分摘出術を受けた。その後、再発と骨転移、膵転移を認め、分子標的薬の投与が行われたものの再再発との評価を受け、先月よりニボルマブの単剤療法が開始された。
ニボルマブの投与3 回を経過した時点で1 日6 回以上の下痢、強い腹痛、発熱37.5 ℃以上、鮮血便を認めたため大腸内視鏡検査を実施したところ、消化管潰瘍の所見を認め潰瘍性大腸炎と診断された。初期治療に用いる薬剤として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ ペムブロリズマブ点滴静注ペムブロリズマブは抗PD-1抗体で、同じ機序の免疫関連有害事象をさらに悪化させるおそれがあります。
- ⑵ アダリムマブ皮下注TNF-α阻害薬はステロイド抵抗性の場合に検討されるもので、初期治療ではありません(主にインフリキシマブが使われます)。
- ⑶ イピリムマブ点滴静注イピリムマブは抗CTLA-4抗体で、免疫を活性化させるため大腸炎をさらに悪化させます。
- ⑷ ロペラミド塩酸塩錠重度の大腸炎でロペラミドを使うと中毒性巨大結腸症などの危険があり、初期治療として不適切です。
- ⑸ メチルプレドニゾロン錠免疫関連有害事象の重度の大腸炎には、副腎皮質ステロイドで免疫反応を抑えるのが初期治療です。
解説
正解は⑸です。ニボルマブなどの免疫チェックポイント阻害薬では、免疫の過剰な活性化による免疫関連有害事象(irAE)として大腸炎が起こることがあります。1日6回以上の下痢や血便、発熱を伴う重度の大腸炎では、ニボルマブを休薬し、副腎皮質ステロイド(メチルプレドニゾロンなど)で免疫反応を抑えるのが初期治療です。ステロイドで改善しない場合にインフリキシマブを検討します。ロペラミドは重症の大腸炎では中毒性巨大結腸症の危険があり不適切です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成