帰宅後に発熱、倦怠感、喉の痛みを自覚し、近医を受診した。急性扁桃炎と診断され、処…
35 歳女性。身長160 cm、体重48 kg。学生時代より重度の花粉症のため、投薬治療を受けていた。1 年ほど前より片頭痛が徐々に強くなり、かかりつけ医を受診して以下の処方1 で治療を受けている。(処方1 )エレトリプタン錠20 mg 1 回1 錠頭痛時 10 回分(10 錠)ロメリジン錠5 mg 1 回1 錠(1 日2 錠)1 日2 回 朝夕食後 28 日分モンテルカスト口腔内崩壊錠10 mg 1 回1 錠(1 日1 錠)1 日1 回 就寝前 28 日分
帰宅後に発熱、倦怠感、喉の痛みを自覚し、近医を受診した。急性扁桃炎と診断され、処方2 が処方された。(処方2 )アセトアミノフェン錠200 mg 1 回1 錠(1 日3 錠)1 日3 回 朝昼夕食後 5 日分エリスロマイシン腸溶錠200 mg 1 回1 錠(1 日4 錠)トラネキサム酸錠250 mg 1 回1 錠(1 日4 錠)1 日4 回 朝昼夕食後・就寝前 5 日分処方1 との併用を考慮し、かかりつけ薬剤師が行う疑義照会として最も適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ モンテルカストの作用が増強するおそれがあるため、アセトアミノフェン錠を半量にする。アセトアミノフェンがモンテルカストの作用を増強する相互作用は知られておらず、減量の必要はありません。
- ⑵ 血栓形成のおそれが強くなるため、トラネキサム酸錠を半量にする。処方1にはトラネキサム酸と血栓リスクを高め合う薬はなく、半量にする根拠はありません。
- ⑶ エレトリプタンの作用が増強するおそれがあるため、エリスロマイシン腸溶錠をアジスロマイシン錠に変更する。エリスロマイシンのCYP3A4阻害でエレトリプタンの作用が増強するため、アジスロマイシンへの変更が適切です。
- ⑷ ロメリジンの作用が減弱するおそれがあるため、エリスロマイシン腸溶錠をアジスロマイシン錠に変更する。エリスロマイシンはCYP3A4を阻害するため、ロメリジンの作用はむしろ増強する方向で、減弱は誤りです。
- ⑸ 肝機能が悪化するおそれがあるため、アセトアミノフェン錠をイブプロフェン錠に変更する。アセトアミノフェン1日600 mgは少量で、肝機能悪化を理由にイブプロフェンへ変更する必要はありません。
解説
正解は⑶です。エリスロマイシンはCYP3A4を強く阻害するため、CYP3A4で代謝されるエレトリプタンの血中濃度を上昇させ、作用が増強して冠動脈の収縮などの副作用を起こすおそれがあります。そのため、CYP3A4阻害作用の弱いアジスロマイシンへの変更を提案するのが適切です。ロメリジンもCYP3A4で代謝されるため、エリスロマイシン併用で作用は減弱ではなく増強の方向です。アセトアミノフェンやトラネキサム酸の用量には問題がありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成