ボリコナゾールと処方変更前の薬物との相互作用の機序として適切なのはどれか。1つ選…
60 歳男性。高血圧症及び不眠症のため、2 週間ごとに近医を受診していた。最近、呼吸困難感及び胸痛を認め、さらに血痰及び喀血を生じたため、精査加療目的で大学病院に入院となった。その後、侵襲性肺アスペルギルス症と診断され、ボリコナゾールによる治療を翌日から開始することになった。入院時の持参薬は以下のとおりである。アジルサルタン錠20 mg 1 回1 錠1 日1 回 朝食後 14 日分スボレキサント錠20 mg 1 回1 錠1 日1 回 就寝前 14 日分
ボリコナゾールと処方変更前の薬物との相互作用の機序として適切なのはどれか。1つ選べ。
- ⑴ プレグナンX 受容体(PXR)を介したCYP3A4 の誘導PXRを介したCYP3A4の誘導はリファンピシンなどの機序で、代謝を促進する方向に働きます。
- ⑵ P-糖タンパク質の阻害スボレキサントとの相互作用の主な機序はCYP3A4の阻害であり、P-糖タンパク質の阻害ではありません。
- ⑶ CYP3A4 タンパク質との共有結合による阻害代謝物がCYP3A4と共有結合して不可逆的に阻害するのは、エリスロマイシンなどの機序です。
- ⑷ CYP のヘム鉄との配位結合による阻害アゾール環の窒素原子がCYPのヘム鉄に配位結合して、CYPを阻害します。
- ⑸ P-糖タンパク質の誘導P-糖タンパク質の誘導は基質薬物の血中濃度を下げる方向の機序で、この相互作用には当たりません。
解説
正解は⑷です。ボリコナゾールなどのアゾール系抗真菌薬は、分子中のトリアゾール環やイミダゾール環の窒素原子がCYPのヘム鉄に配位結合することで、酵素の活性を可逆的に阻害します。これによりCYP3A4で代謝されるスボレキサントの代謝が妨げられ、血中濃度が上昇します。PXRを介した誘導はリファンピシンなど、CYP3A4との共有結合による不可逆的阻害はマクロライド系やグレープフルーツなどの機序です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成