薬剤師はこの患者からワクチンについて相談を受けた。この患者に接種が検討される肺炎…
70 歳男性。10 年前から2 型糖尿病と前立腺がんに罹患し治療を受けている。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の診断を受け、治療中である。今回友人より、「あなたは70 歳だけど肺炎球菌ワクチンの接種をしないのか」と聞かれ、ワクチン接種の相談に薬局を訪れた。患者はインフルエンザワクチンを接種したことはあるが、肺炎球菌ワクチンを接種した経験はなかった。
薬剤師はこの患者からワクチンについて相談を受けた。この患者に接種が検討される肺炎球菌ワクチンに関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。
- ⑴ このワクチンは、肺炎球菌の病原性を弱毒化した生ワクチンである。肺炎球菌ワクチンは莢膜多糖を用いた不活化ワクチンで、生ワクチンではありません。
- ⑵ このワクチンには、血清型の異なる肺炎球菌の莢膜多糖が含まれている。このワクチンは23種類の血清型の肺炎球菌の莢膜多糖を含んでいます。
- ⑶ この患者には、予防接種法による集団予防を目的として肺炎球菌ワクチンが接種される。高齢者の肺炎球菌感染症はB類疾病で、集団予防ではなく個人予防を目的として接種されます。
- ⑷ このワクチンは、ジフテリア毒素がアジュバントとして結合しているので、ジフテリアの予防もできる。結合型ワクチンの担体は無毒化したジフテリア毒素の変異体で、アジュバントではなく、ジフテリアの予防効果もありません。
- ⑸ ワクチン接種後、この患者に健康被害が生じた場合、予防接種健康被害救済制度により救済措置を受けることができる。予防接種による健康被害には、予防接種健康被害救済制度などの救済措置があります。
解説
正解は⑵と⑸です。高齢者の定期接種で用いる23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチンは、23種類の血清型の肺炎球菌の莢膜多糖を含む不活化ワクチン(成分ワクチン)です。高齢者の肺炎球菌感染症はB類疾病で、個人の発病・重症化予防を目的とします。予防接種によって健康被害が生じた場合は、予防接種健康被害救済制度などによる救済措置を受けられます。ジフテリア毒素の無毒変異体を担体として結合させたのは結合型ワクチンで、ジフテリアの予防効果はありません。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成