血中のグルコースの定量法として、次のような酵素反応を利用した方法がある。この方法…
血中のグルコースの定量法として、次のような酵素反応を利用した方法がある。この方法では、波長340 nm の吸光度からグルコースの濃度を求める。この方法に関する記述のうち、正しいのはどれか。2つ選べ。ヘキソキナーゼグルコース + ATP ― グルコース-6-リン酸 + ADPグルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼグルコース-6-リン酸 + NADP⁺ ― 6-ホスホグルコン酸 + NADPH + H⁺
- ⑴ 試料に入射する光と透過する光の強度をそれぞれ I0、I とすると吸光度はlog(I0/I)で表される。吸光度は入射光と透過光の強度比の常用対数log(I₀/I)で表されます。
- ⑵ 340 nm の波長の電磁波は、分子の振動状態の変化を直接引き起こす。340 nmの紫外線は電子遷移を引き起こします。分子の振動状態を直接変化させるのは赤外線です。
- ⑶ 240 nm から400 nm までの吸収スペクトルを測定する場合には、ガラス製のセルが用いられる。ガラスは約320 nm以下の紫外線を吸収するため、240 nmから測定するには石英製のセルを用います。
- ⑷ 340 nm の吸収は、NADPH に由来する。NADPHはニコチンアミド部分の還元形により340 nmに吸収をもち、NADP⁺はこの波長に吸収をもちません。
- ⑸ グルコース濃度は340 nm の吸光度の二乗に比例する。Lambert-Beerの法則により、吸光度は濃度に比例します。二乗に比例するわけではありません。
解説
正解は⑴と⑷です。吸光度はA=log(I₀/I)で定義され、Lambert-Beerの法則により濃度に比例します。この方法では、グルコース1分子からNADPHが1分子生じ、NADPHは340 nmに吸収をもつ(NADP⁺はもたない)ため、340 nmの吸光度の増加からグルコース濃度を求められます。340 nmの紫外線は電子遷移を起こす光で、振動状態を直接変化させるのは赤外線です。また320 nm以下の紫外部を測るには石英セルが必要です。
出典:厚生労働省ホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000198923.html)を加工して作成