アスピリンの錠剤を湿気の多い場所に長く置いていたところ、容器を開けると酢のような…
アスピリンの錠剤を湿気の多い場所に長く置いていたところ、容器を開けると酢のようなにおいがした。この変化の説明と、その化学構造上の理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ 分子内のアミド結合が加水分解され、アニリンと酢酸が生じたため。アスピリンはアミド結合をもたず、アニリンも生じません。
- ⑵ 分子内のエステル結合が加水分解され、サリチル酸と酢酸が生じたため。アスピリンは酢酸とサリチル酸のエステルで、水分で加水分解されて酢酸を生じます。
- ⑶ フェノール性ヒドロキシ基が空気で酸化され、キノンが生じたため。アスピリンのフェノール性ヒドロキシ基はアセチル化されており、酢のにおいの説明になりません。
- ⑷ カルボキシ基が脱炭酸されて、二酸化炭素とフェノールが生じたため。保存中の主な変化は脱炭酸ではなく、エステル結合の加水分解です。
- ⑸ ベンゼン環が水分によって開裂し、炭素2個の断片として酢酸が生じたため。ベンゼン環は安定で、保存中の水分によって開裂することはありません。
解説
正解は、分子内のエステル結合が加水分解され、サリチル酸と酢酸が生じたためです。アスピリンはサリチル酸のフェノール性ヒドロキシ基を酢酸でエステル化した構造をもちます。エステル結合は水分によって加水分解されやすく、湿気の多い場所に置くと酢酸とサリチル酸が生じ、酢のにおいがします。このため、アスピリンの製剤は湿気を避けて保存し、加水分解で生じたサリチル酸は純度試験で確かめます。
当サービスが作成したオリジナル問題です。実際の試験問題ではありません。