降圧薬のカンデサルタンは、分子内のカルボキシ基をエステルにしたプロドラッグとして…
降圧薬のカンデサルタンは、分子内のカルボキシ基をエステルにしたプロドラッグとして経口投与される。この工夫の目的と仕組みとして、正しいのはどれか。
- ⑴ エステル体のまま受容体に結合し、活性体よりも強い降圧作用を示すようにする。プロドラッグは体内で活性体に変わって作用するもので、エステル体のまま働くのではありません。
- ⑵ エステルの部分が小腸のペプチド輸送体に認識され、能動輸送で取り込まれる。ペプチド輸送体を利用するのはバラシクロビルなどで、カンデサルタンの仕組みとは異なります。
- ⑶ 長鎖脂肪酸と結合させてリンパ管から吸収させ、肝臓での初回通過効果を避ける。この工夫は脂溶性を適度に高めて受動拡散を増やすもので、リンパ吸収を狙ったものではありません。
- ⑷ エステルにして水溶性を高め、胃の中で速く溶かして胃から吸収させる。エステル化は脂溶性を高める工夫で、吸収の主な場も胃ではなく小腸です。
- ⑸ 極性の高いカルボキシ基を隠して脂溶性を高め、受動拡散による吸収を増やす。エステル化で脂溶性を高めて吸収を改善し、吸収の過程で加水分解されて活性体に戻ります。
解説
正解は、極性の高いカルボキシ基を隠して脂溶性を高め、受動拡散による吸収を増やすというものです。カルボキシ基は消化管内でイオン形になりやすく、膜を通りにくい性質があります。エステルにして脂溶性を高めると小腸の上皮を受動拡散で通りやすくなり、吸収の過程で加水分解されて活性体のカンデサルタンになります。このように、吸収を改善するために構造を一時的に変えたものをプロドラッグといいます。
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