授乳中の女性から、服用中の薬が母乳に移るかどうかを質問された。一般に、母乳へ移行…
授乳中の女性から、服用中の薬が母乳に移るかどうかを質問された。一般に、母乳へ移行しやすい薬物の性質として、正しいのはどれか。
- ⑴ 分子量の大きいたんぱく質の製剤ほど、乳腺の細胞の間を通って乳汁へ多く移る。分子量の大きい薬物は乳汁へ移りにくく、たんぱく質製剤の移行は少ないです。
- ⑵ 水溶性が高くイオン形の割合が大きい薬物ほど、乳腺の上皮の膜を通り抜けやすい。膜を通りやすいのは脂溶性が高く分子形の割合が大きい薬物です。
- ⑶ 乳汁は血漿より強いアルカリ性のため、弱酸性の薬物が乳汁中にたまりやすい。乳汁は血漿よりやや酸性で、たまりやすいのは弱塩基性の薬物です。
- ⑷ 血漿たんぱく結合率の高い薬物ほど、結合したまま乳汁中へ移って蓄積する。乳汁へ移るのは結合していない形の薬物で、結合率が高いほど移行は少なくなります。
- ⑸ 脂溶性が高く、血漿たんぱく結合率が低い弱塩基性の薬物は、乳汁へ移行しやすい傾向がある。乳汁は血漿よりやや酸性で、弱塩基性の薬物はイオン形となって乳汁中にとどまりやすいです。
解説
正解は、脂溶性が高く血漿たんぱく結合率が低い弱塩基性の薬物が乳汁へ移行しやすいというものです。薬物は主に受動拡散で乳腺の上皮を通るため、脂溶性が高く分子量が小さく、たんぱくに結合していない形の多い薬物ほど移りやすくなります。乳汁のpHは血漿よりやや低いため、弱塩基性の薬物は乳汁中でイオン形となって血漿側へ戻りにくく、濃度が高くなりやすい点も重要です。
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