全身麻酔の導入にチオペンタールを静脈内投与すると、数十秒で意識が消失し、1回の投…
全身麻酔の導入にチオペンタールを静脈内投与すると、数十秒で意識が消失し、1回の投与では数分から十数分で意識が戻る。意識が速やかに戻る主な理由として、正しいのはどれか。
- ⑴ 時間とともに血漿たんぱくとの結合率が急に高まり、遊離形の濃度が下がるため。結合率が時間とともに急に変わることはなく、作用の終わりは再分布によります。
- ⑵ 血流の多い脳へ移ったあと、筋肉や脂肪組織へ再分布して脳内の濃度が下がるため。脂溶性が高く、脳から血流の少ない組織へ移る再分布によって作用が短く終わります。
- ⑶ 腎臓から未変化体のまま速やかに排泄され、血中濃度が数分のうちに急に下がるため。脂溶性の高い薬物は尿細管で再吸収されやすく、未変化体の速い腎排泄は起こりません。
- ⑷ 血液脳関門を通り抜けられず、脳の表面にとどまって作用が短く終わるため。チオペンタールは脂溶性が高く、血液脳関門を速やかに通過して脳へ移ります。
- ⑸ 肝臓で速やかに代謝されて不活性化され、数分で体内から消失するため。チオペンタールの代謝は遅く、作用が短いのは代謝ではなく再分布によります。
解説
正解は、脳へ速やかに移ったあと筋肉や脂肪組織へ再分布し、脳内の濃度が下がるためです。チオペンタールは脂溶性が高く、投与直後は血流の多い脳に多く分布して意識を消失させます。その後、血流の少ない筋肉や脂肪組織へ移る再分布が進み、脳内の濃度が下がって意識が戻ります。体内からの消失は遅いため、くり返し投与すると脂肪組織にたまって覚醒が遅れます。
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