水に溶けにくい薬物を、シクロデキストリンとの複合体として製剤化したところ、経口投…
水に溶けにくい薬物を、シクロデキストリンとの複合体として製剤化したところ、経口投与したときの吸収が改善した。シクロデキストリンの働きの説明として、正しいのはどれか。
- ⑴ 薬物の結晶形を安定形にそろえて溶解速度を下げ、効果を長く続かせる。結晶形を安定形にすると溶けにくくなるため、吸収の改善にはつながりません。
- ⑵ 薬物と共有結合して新しい化合物をつくり、吸収されたあとに体内の酵素で切り離される。酵素で切り離されて元の薬物に戻るのはプロドラッグで、包接は共有結合をつくりません。
- ⑶ 消化管の粘膜細胞どうしの間隙を広げ、吸収促進剤として薬物を細胞の間から通過させる。細胞間隙を広げるのはカプリン酸ナトリウムなどの吸収促進剤で、シクロデキストリンの主な働きではありません。
- ⑷ 疎水性の空洞に薬物分子を取り込んで包接し、見かけの溶解度を高める。外側が親水性、内側が疎水性の構造をもち、薬物を包み込むことで溶けやすくします。
- ⑸ 外側が疎水性、内側が親水性の環状の構造で、薬物を細胞膜に溶け込ませて吸収を促す。シクロデキストリンは外側が親水性、内側の空洞が疎水性で、記述は逆になっています。
解説
正解は⑷です。シクロデキストリンはグルコースが環状につながったオリゴ糖で、外側は親水性、内側の空洞は疎水性です。水に溶けにくい薬物分子をこの空洞に取り込んで包接化合物をつくると、見かけの溶解度や溶解速度が高まり、吸収が改善します。包接は共有結合ではないため、溶けたあとの薬物は元のまま吸収されます。化学的な安定性の向上や、においや苦味を抑える目的でも用いられます。
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