72歳の男性。敗血症でゲンタマイシンを1日1回、点滴で投与することになり、薬剤師…
72歳の男性。敗血症でゲンタマイシンを1日1回、点滴で投与することになり、薬剤師が血中濃度の測定と投与設計を担当した。この薬を1日1回にまとめて投与し、血中濃度を確認する理由の説明として、正しいのはどれか。
- ⑴ 主に肝臓で代謝されて消失するため、腎機能が低下しても投与間隔は延ばさずに同じ量を続ける。ゲンタマイシンは主に腎臓から未変化体で排泄されるため、腎機能に応じて投与間隔や量を調節します。
- ⑵ 腎障害の起こりやすさはピーク濃度の高さで決まるため、ピーク値が低くなるよう少量を頻回に投与する。腎障害と関連が強いのは次の投与前の濃度で、少量の頻回投与はかえって腎障害を起こしやすくします。
- ⑶ 効果の判定には次の投与直前の濃度を用い、点滴終了直後の濃度は副作用の判定に用いる。点滴終了後のピーク値は効果の、投与直前のトラフ値は副作用の目安に用いるのが基本です。
- ⑷ 時間に依存して殺菌作用を示すため、1日量を等分して、血中濃度を常に一定以上に保つことを目標とする。有効濃度を超える時間を長く保つことが重要なのは、β-ラクタム系などの時間依存的な抗菌薬です。
- ⑸ 濃度に依存して殺菌作用を示すため、1回量を多くしてピーク濃度を高め、次の投与前の濃度を十分に下げて腎障害を減らす。アミノグリコシド系は濃度依存的に殺菌し、トラフ値が高いと腎障害や聴覚障害が起こりやすくなります。
解説
正解は⑸です。ゲンタマイシンなどのアミノグリコシド系抗菌薬は、濃度に依存して殺菌作用を示し、濃度が下がった後も効果が続く性質をもちます。そのため1日量を1回にまとめてピーク濃度を高め、次の投与までに濃度を十分に下げることで、効果を保ちながら腎障害や聴覚障害を減らします。効果はピーク値、副作用はトラフ値を目安とし、主に腎臓から排泄されるため腎機能に応じて投与を調節します。
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